一般例会No.260  播州・伊勢山(353m)
 10周年記念山行・大阪湾を巡る隠れ山シリーズ No.2 例会記録
概要 『姫路郊外にある小さな山ですが、かつて赤松一族の「見張りの城」とよばれた眺望のよい山です。
播磨灘からまさかの大阪湾が望まれるか?』

 
日時 2012年1月15日(日)
天候 晴れ時々曇り
担当 紀伊埜本節雄、小椋勝久
集合 7:30 JR大阪駅 新快速姫路行き7:45発 乗車ホーム
行程 姫路駅⇒(バス)緑台〜伊勢山西尾根〜南端峰〜北端峰〜伊勢山本峰〜東尾根〜緑台⇒(バス)姫路駅
参加者 谷孝司、笠松マサヱ、横内まみね、岡本佳久、川崎喜美子、欅田克彦、紀伊埜本博美、堀木宣夫、保木道代、近藤さとみ、福田直也
谷村洋子、西村晶、西村美幸、三原秀元、安本昭久、安本嘉代、内杉安繁、青木義雄、寄川都美子、岸田暎子 ・・・ 計23名

     

 
バス停「緑台」は住宅街の終点 姫路から36分で到着 
途中まで県立工大に向かうセンター試験の学生と同乗した
が あとは例によって我々一行23名の貸切 9:40


9:50 ヤマザクラ広場 今日の行動予定の説明 驚いた
事に先客あり 大型バスツアー2台で約80名 大部隊は見
慣れているがこれは別格 様子を窺い ルートを変更する


谷沿いに直進し 左折して登れば西尾根に先行できる筈
昨今 変則的だが登山ブームの兆候がみられる それに
しても これほど盛況とは知らなかった
 

10:30 西尾根上の分岐点に出る 左折すれば展望台
右折北上すれば山頂へ これでうまく先行出来た 双方の
混雑緩和に協力できたわけだ 山中他に登山者は2名のみ
 
 
 いきなり林の中の急下降 半端じゃない角度と長さ 雨後の
 足元なら危険マークが付くところだ 
 

コルからすぐに頂稜への登り 東に回りこんで露岩を登る
小さな山稜だから 思案したり迷う前に どんどん登る



上部は伊勢山西峰南端ピーク 低山とは思えぬ立派な名前と風貌に
皆さん興味深々 何故か先を急いでゼイゼイ喘ぎながら登る



伊勢山西峰南端ピークから西峰北端ピークを望む この間約200m
の頂稜は西側がズバリと切れ落ちている(カメラマンの脇の下を注目) 
北端ピークは完全に露岩 全員が同時に立つのは難しい


11:20 北端ピークでVポーズ 気分はすっかりクライマー 西を向けば高度感抜群
南を向けば写真には写らないが 肉眼で播磨灘の家島諸島がはっきり見える
 


北端ピークの真下を北に回り込むと「神座の窟」がある 狭い入口を抜けると アッと驚く
洞窟が現れる つまり頂上の下は空洞である 洞窟から西を望むと小さな盆地を2つ隔だて
て鶏籠山から亀山に続く尾根筋が見える 数年前のハイキング+歴探で訪れた 赤松満祐の
「嘉吉の乱」で壊滅的な落城の舞台となった城山がある 懐かしさが沸いてくる


洞窟の内部 西側の開口部は大きいが 足元はスッパリと
切れ落ちて 冷風が吹き上がってくる 夜、焚き火を囲ん
で泊まるも良し 昼、西の岩壁に挑むも良し もうちょい
若ければの話しだが
 

洞窟の内部 北側に狭い入り口 右の写真は洞窟から出よう
としている面々 「神座の窟」の名にふさわしい神秘さだ
 


11:50 伊勢山本峰(353m)に着く こちらは樹
木に囲われて展望はない だが東に5キロばかりの位置に
ある置塩城(赤松氏本城)と狼煙を交わしたのはここだろう
 


ゆっくり昼食の時間と思いきや ツアー客の先頭が上がって 
来た 察するに彼らは西峰と本峰の鞍部に出て 先に本峰を
往復するようだ 先頭から最後尾までバラバラで 約30分
の喧騒を食事とともに味わうことになる


今日は歴史探訪ではないが 折角の機会 お腹も膨れたこと
だし 播州赤松氏一族のミニ講話となる 12:30
 

本峰をあとに東尾根を下る P298mを通過して一旦大きな鞍部まで下り再度P280m
に至る尾根上は 明るい露岩の裸尾根だ うれしくなる(奇妙な集団だ)背後に見える鋭峰
は伊勢山本峰 意外にも西峰北端峰は画面左の外でここからは目立たない
   


同じ東尾根上 下山方向に南に向う眺望 ヤッホーと叫びたくなる気分 はるか前方は
播磨灘 左に淡路島が見えるという さすればその左に明石大橋 その向こうは大阪湾だ


東尾根の登下降は林の中でも結構きつい 踏み跡は明解だ
が 落ち葉が積もって滑りやすい 標識は僅かにある


冬枯れの雑木林の中で最後の休憩をとる ゆっくり 時が
進むようだ 


山頂を中心に 西尾根から登り東尾根を下る周回ルートを
楽しむことができた。降り着いたところは朝と同じ「緑台」
バス停 14:30着 15:10発のバス乗車

 大阪湾を巡る隠れ山シリーズ第2回は西へ播州姫路まで足を伸ばすことになった。目標の伊勢山は、尾根続きに空木(うとろぎ)城を
控え、東の置塩城との見張り台の役目をしていたことから、おそらく眺望は良いだろうと想像していた。でも大阪湾は見えるだろうか?
播磨灘は間違いなく見えるのだから、それに続く大阪湾も望めなくはないだろう、その程度の、これは遊びの世界である。
 それでは隠れ山の要素はあっただろうか?、まずは参加者の皆さんは誰もが初見のようで、かつ低山のヤブ山と予想されていただろう
から、少しは意外性はあったと思う。「神座の窟」をとりまく岩壁は、隠れ山と呼ぶに相応しい風景で、せめて周囲の探索ぐらいはやって
みたいと思わせた。播但を巡る山々は 少しは遠いとは言え、これを機会に歴史探訪の他にも手を染めて行きたいと思う。
 冬晴れの天気に恵まれ、大勢の仲間に恵まれ、痛快な遊びの世界にも誘ってもらえる小さな魅力ある山々にも恵まれたことを、合わせ
て感謝しましょう。
                               記:紀伊埜本節雄   写真:小椋勝久、西村晶、紀伊埜本博美

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