オプション例会No.91 熊野古道・大峰奥駆け道を行く。そのT例会記録
概要 『昔の大峰道の起点、六田の渡しから四寸岩山〜大天井ケ岳〜五番関と、奥駆け道初日の道を
                          辿ります。熊野古道シリーズ第6弾』

日時 2008年5月10日(土)
天候 終日雨
担当 紀伊埜本(節)、奥中、ゲスト講師 野口秀也 
集合 南海高野線・百舌鳥駅 7:50集合 8:00出発
行程 中百舌鳥駅⇒R309⇒富田林⇒下市⇒吉野大橋⇒上千本口⇒奥千本金峯山寺付近10:13〜
四寸岩山12:40〜大天井ケ岳〜五番関15:43〜五番関トンネル16:00⇒洞川⇒川合
⇒下市⇒富田林⇒中百舌鳥駅19:10
バスの回送 奥千本金峯山寺付近で乗客を降ろしたあと、洞川五番関トンネル入り口へ回送
参加者 山下、宮平(由)、青木、紀伊埜本(博)、高木(恵)、西田、小椋、田中(智)、畑山、柴田、岸本(久)
横内、近藤、欅田、神阪(洋)、岩崎(真)、徳平  ・・・ 計20名

10:13 金峰神社の駐車場下
へ到着。急坂を休憩所へ。

10:34 身支度中。
雨はやむ気配なし。

10:36 リーダーの
注意事項を聞く。

10:54 女人結界碑
右大峯山上の標示。

11:13 歩き始めて直ぐに
林道吉野大峰線へ出る。 

11:25 ここから古道奥駆け道へ入る。
  

11:43 五十丁茶屋跡を通過。
 

12:11 新茶屋跡到着。視界不良の
中をここから四寸岩山へ登る。

12:39 四寸岩山山頂(1235m)
着。足摺宿跡まで0.7kmの標示。 
   野口講師の一口解説
山岳修験道とは
山岳修験は奈良時代末期に起こったと言われ、平安時代末期から鎌倉時代初期には顕在し、
確立されたようである。山伏伝承では修験の開祖は役行者(役小角)とする「葛城修験」で
古い歴史を持っている。大峰修験は一時衰退していたが、聖宝・理原大師により中興された
といわれ、現在は中興の祖として仰がれている。
 大峰修験には聖宝を中心とする「当山派」と、熊野三山検校を任じられた聖護院の「本山
派」とがあり、お互いに大峰の修行路(現在の奥駈け道)を往来している。当山派は吉野を
拠点に、本山派は熊野を拠点にし教団活動を行ってきた。春は熊野から吉野へ出る「春の峰
入り修行」、秋には吉野から熊野へ出る「秋の峰入り修行」の大峰修行が確立され、熊野か
らの峰入りを「順の峰入り」、吉野からの峰入りを「逆の峰入り」と称するようになった。
これは役小角が熊野から吉野へ向った開山の故事によるもので、修行者の霊場である大峰山
系を一つの曼荼羅とみなし、北部(吉野側)を金剛界、また南部(熊野側)を胎蔵界とした。
 
 
12:40 四寸岩山(1235m)の三角点。
 

12:55 足摺宿跡着 苔生した昔の標識。
「やっと大峰らしくなったなア〜」の声。 

12:55 立派な足摺宿です。
ここで約30分昼食をとる。

13:36 足摺宿を出発。 

13:54 洞川へ通じる林道へ出る。 
 
13:55 古道には不向きなこんなイラストマップも。
 

14:10 百丁茶屋跡に到着。ここにも立派な二蔵宿が。
ここから大天井岳をまき古道を五番関へ。 
 
14:44 珍しい「山芍薬」 残念ながらつぼみです。

 14:50 五番関へ古道を辿ります。

15:42 五番関へ到着。笑顔も
見えます。奥に女人結界門があります。

16:00 五番関トンネル登山口へ下山。

16:14 東屋で着替えてバスに
乗車、中百舌鳥駅へ向かう。
     
   朝から予報通りの雨。奥千本まで送ってくれたバスの運転手はいかにも気の毒そうな表情
をみせるが、皆さんは何食わぬ顔。大方の人は降車時には既に完全武装、果たして逞しくな
ったのか無頓着なのか私にはわからない。林道から四寸岩山に向かう山道に入ると、オャと
思うほど早や古道の趣が漂う。考えるに、今どき吉野から奥駆け道に入る登山者は皆無かも
しれず、道はそこはかと荒れたまま悪くはない。足摺ノ小屋を過ぎた頃から、尾根の西側は
暗い針葉樹の植林、東側はいっせいに芽吹きはじめた雑木林が萌えるように明るい。二蔵宿
小屋から尾根どうし大天井岳山頂を経由する予定だったが、時間切れもあり大天井岳の東山
腹を巻く様に進む、この道の採り方この道の巻き方は大峯特有のもので、歩いてみるとその
リズムと味わいはまぎれもない古道の感触である。ゲスト講師の野口氏は最新の国土地理院
の大峯奥駆け道の表示は間違いが多いと指摘されているが、たしかにピークからピークへと
結ぶ安易な表示は味気ない登山道を残すだけかも知れない。五番関の鞍部に山腹を縫って穏
やかに迫り上がる道などとくに素晴らしい。この先、修験者達が辿る長くて厳しい奥駆け道
のまさに序曲にふさわしい山道と感じましたが、いかがでしょうか。
                          (記:紀伊埜本、写真:奥中)
 
     
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