オプション例会No.108  熊野古道・梅薫る紀伊路 例会記録
概要 『熊野古道シリーズ第9弾。切目王子から千里浜へ、ゆっくり観梅を楽しむ優雅な催しです。』
 
日時 2009年2月7日(日)
天候 晴れのち曇り
担当 紀伊埜本節雄、奥中種雄 ゲスト講師:野口秀也
集合 南海高野線 中百舌鳥駅 7:50集合 8:00出発
行程 中百舌鳥駅⇒泉北1号線⇒深井⇒泉北2号線⇒堺IC⇒吉備湯浅PA⇒印南IC⇒R42切目王
子(9:58)〜切目川(10:20)〜切目中山王子(10:47)〜徳本上人碑(11:37)〜光照寺(12:18=昼食=)
〜有間皇子結松記念碑(12:43)〜西岩代八幡神社(12:58)〜岩代王子(13:20)〜JR岩代駅(13:27)
〜千里浜海岸を歩く(13:59)〜千里王子(14:06)・千里観音(14:10)=観梅(14:36)=バス駐車
(15:20)⇒R42⇒梅干館(15:45)⇒南部IC⇒紀ノ川SA⇒堺IC⇒中百舌鳥駅(18:20)・解散
参加者 紀伊埜本博美、高木恵美子、青木義雄、堀木宣夫、辻角ますみ、横内まみね、西田保、神阪洋子、
岩崎真美子、中川雅嗣、畑山禮子、柴田弘子、田中智子、津川洋子、欅田克彦、小椋美佐、大谷裕昭                       
 ・・・ 計20名

野口講師の一口解説
小栗街道とは
 熊野古道はこれまでにもご説明致してきましたが、文字通り熊野三山へ通じる信仰の道で、御幸路(紀伊路・中辺路)
に代表される道が有名であります。紀伊路は京都から淀川を下り、天満八軒家の船着場(現在天満橋南詰)で上陸し、道
中に設けられた王子社で熊野を遥拝したり、休息を取りながら熊野を目指した。小栗街道は熊野古道の別名で、照手姫が
不治の病にかかった小栗判官を土車(荷車)に乗せ、険路はるばる湯ノ峰温泉へ辿り着き、湯冶をしたと言う有名な伝説
にもとずくものである。紀伊路の堺から田辺までの間では熊野古道を「小栗街道」と呼ばれ、道標にも小栗街道と印され
ている。

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9:58 切目神社の駐車場で出発前の打ち合わせ中。
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9:59 切目神社の駐車場にて。
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10:01 野口講師より「切目五体王子」の説明を聞く。
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10:20 「きりめばし」を渡り
切目中山王子へ向かう。
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10:40 舗装道を中山王子へ。
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10:44 梅が満開で美しい。
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10:47 切目中山王子着。
     

野口講師の一口解説
切目王子とは
 熊野九十九社の王子の一つで、「五躰王子」または「五所王子」と呼ばれ格式の高い重要な王子社であり、五座の
祭神が祭られている。崇神天皇の六十七年(約千五百年前)の建立と伝えられ、熊野詣の盛んな御幸時代の遥拝所と
して、また宿泊地となった。社殿は天正年間(一五七三〜九一年)に兵火で消失、文禄元年(一五九二年)に現在地
に移され再建された。元の位置は太古屋敷(現在地の東)に鎮座していたと言われ、本殿跡と思われる所には「大塔
宮御旧跡地」と刻まれた石柱が建っている。「太平記」によると、大塔宮護良親王は神託で、切目川に沿いに十津川
へ落ち延びたと伝えられる。また平治の乱における平清盛、重盛が熊野詣の途次、都の反乱を早馬で知らされ神前で
義定し、直ちに引き返し大勝したと言われる。この折に大鳥居王子に立ち寄り、重盛が秘蔵の飛鹿毛の名馬を奉納し
、清盛は「かいこぞよかいりいでなばとぶばかり はごくみたてよおおとりの神」の和歌一首を詠んでいる(平治物
語より)、歌碑は大鳥神社境内に建っている。

五躰王子とは
 熊野九十九王子社の中でも海南市の藤代(藤白)王子、印南町の切目(切部)王子、上富田町の稲葉根王子、田辺
市中辺路町の滝尻王子、田辺市本宮町の発心門王子の五王子社は五躰王子と呼ばれ格式が高い。御幸一行が宿泊した
藤代王子では、御経供養の後に御歌会や相撲、里神楽、白拍子の舞など特別な催しが行われ、滝尻王子でも同じ催し
が行われている。切目では塩垢離、稲葉根で水垢離の禊が行われている。        (了・文責 野口)
                    *詳細は「世界遺産・熊野古道を歩こう」(野口秀也著)を参照下さい  

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11:23 満開の梅林の中を徳本上人碑へ向かう。
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11:37 徳本上人碑着。
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12:01 ハウス内はお花がいっぱい!
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12:18 西山浄土宗光照寺の
境内をお借りして昼食中。
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12:42 R42沿いにある有間皇子結松記念碑。
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12:58 西岩代八幡神社 
回舞台があり県指定の文化財。
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13:20 岩代王子着。
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13:27 レトロなJR岩代駅前を通過。
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13:59 千里浜を歩き千里王子へ向かう。
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14:06 千里王子神社着。
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14:10 千里観音着。 
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14:25 展望台駐車場から春の海〜 
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14:36 駐車場下で観梅。お楽しみ中!!
15:20 バスに乗車し帰路へ。
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15:45 梅干館に立ち寄る。のち、南部ICから高速
道路に乗り堺IC下車。中百舌鳥駅18:10解散する。
     

 紀州路は梅の開花に合わせて行くことにしていた。印南一帯は南高梅の産地としてよく知られている。切目王子から
千里王子まで、のどかな村落の間に満開の梅林が次々と現れてくる。桜花に比べると華やかさは薄れるが、その分、凛
とした香りは清楚で美しい。千里浜海岸では砂浜を1km程歩いた。昔人は波に足を洗い、垢離として身を清めたとい
うが、いま登山靴で歩む我々は何と言えばよいだろう。熊野古道シリーズ第9回目の終わりは、梅林に腰を下ろし、静
かに各自持参のコップ酒を手にする。天気は快晴、暖かさは程よく、語るに言葉なし、優雅な気分だ。
                                       (記:紀伊埜本、写真:奥中)  

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