オプション例会No.114  大峰奥駆け道・南部縦走 例会記録
概要 『釈迦ケ岳(前鬼)から笠捨山(上葛川)まで3泊4日。奥駆け古道を満喫します。熊野古道シリーズ番外編、健脚向き。』
 
日時 2009年5月9日(土)〜12日(火)
天候 4日間共快晴
担当 紀伊埜本節雄、奥中種雄
集合 阿倍野橋6:50発急行乗車(間に合わない方は7:10発特急乗車) 
行程 近鉄・上市⇒(タクシー)前鬼口車止め〜前鬼〜深仙ノ宿(泊)〜地蔵岳〜証誠無漏岳〜平治の宿(泊)
〜行仙岳〜笠捨山〜槍ヶ岳〜上葛川民宿(泊)⇒(村営バス)十津川⇒(奈良交通バス)JR・五條
参加者 本郷善之助、川守田康行、畑山禮子、柴田弘子、紀伊埜本博美、小椋美佐 ・・・ 計8名
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5/9 9:26 大和上市駅からタク
シー2台に分乗し、上北山で小休止中。 
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10:30 前鬼車止めまで乗車、
奥駆け南部のスタート。 
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11:06 小中坊は目前。 
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11:09 小中坊まで1ピッチ、休憩中。 
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11:10 ソーラー発電付きの新しいトイレ。 
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11:24 五鬼童住居跡。
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11:29 太古の辻まで登りです。
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12:21 木製階段の始まり。
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13:00 二つ岩です。 
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13:50 階段状に座って休憩中。 
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14:08 太古の辻に到着、階段の登りが終わりヤレやれ。 
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14:10 明日の宿「平治の小屋」まで
9.7Km、6時間の標示。 
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14:32 躑躅が満開!! 
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14:43 釈迦ケ岳〜孔雀岳間の多くの岩峰が見える。 
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14:44 釈迦ケ岳ズームアップ、
新しくなったお釈迦様の光背も見える。 
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14:49 大日岳の裾をまき、深仙宿着。宿は独り占め。
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15:57 香精水を取水中、時間がかかる。 
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18:11 古田の森に沈む夕日、自然は素晴らしい!
この夜は満月が美しかった! 
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5/10 5:51 四時半起床、
「平治の小屋」へ縦走スタート。 
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6:05 大日岳の裾を行く、躑躅が美しい。 
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6:17 太古の辻着、「これより大峯南奥駆道」
の標示。二日間の長い縦走の始まりです。 
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6:43 石楠花は未だ蕾。 
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6:49 はるか遠くに笠捨山が見える。 
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6:49 大峯らしい景観。 
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7:13 振り返ると大日岳、釈迦ケ岳が遠くなっていく。 
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7:18 石楠花岳着、あたりは山名通り石楠花が多い。 
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8:12 天狗山着、遠くなる釈迦ケ岳。 
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8:34 奥守岳着、尾根筋が広く開放的。 
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8:52 嫁越峠着、この峠を十津川村〜
下北山村の人達は交流していたのかな〜。 
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9:35 地蔵岳着、このあたりは
標高が高いので木々は蕾が多い。 
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9:45 自然林と植林の幾何模様が美しい。 
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10:04 般若岳着。 
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10:43 滝川辻着。 
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11:07 剣光門(拝み返しの宿跡)を通過、
足元は「バイケイソウ」の群落。 
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11:47 涅槃岳着、釈迦ケ岳を
振り返りながら山名の由来を考える。 
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12:33 証誠無漏岳着。
 
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13:00 石楠花の開花。 
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13:13 阿須迦利岳着。 
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13:41 持経の宿着。先客が一名、
ここで二泊するらしい。 
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13:57 林道と交差して
奥駆け道を登る。 
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14:03 持経千年桧、樹齢200年以上、樹高25m。
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15:06 設備の整ったきれいな「平治宿山小屋」着。
志納箱へ志を入れる。今夜も独り占め。 
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5/11 6:08 出発前の打ち合せ、ストレッチ体操中。
別棟のトイレは手動水洗で清潔!
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6:44 今日最初のピーク転法輪岳着、早くも水分補給。 
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7:25 倶利迦羅岳への登り、木の根が自然の階段。
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7:30 倶利迦羅岳山頂から縦走してきた
尾根筋を見る。遠くに釈迦ケ岳。 
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7:43 ブナの新緑と白ヤシオが
素晴らしい景観。
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7:51 白色の次は赤色です。 
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8:00 日当たりの少ない
ところでは蕾の石楠花。 
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8:19 七重八重に重なる山並み。
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9:26 行仙岳着、登りは足元軟弱。今日は暑さが厳しい。
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8:57 怒田宿跡でカロリー補給中、白谷トンネルの上あたり。 
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9:53 あんなに遠かった笠捨山が目前。
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9:57 行仙宿山小屋着、清潔で
整理整頓された立派な小屋。休憩中。
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10:16 緑をバックに石楠花満開。
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10:16 頑張る女性の参加者全員。 
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10:17 石楠花満開のズームアップ。
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12:08 やっと笠捨山山頂着、登りも下りも
足元軟弱。晴天で本当に良かった!!
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12:21 遠くにかすむ釈迦ケ岳、
よく歩きました。右奥に見える大普賢岳。
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 13:01 葛川辻着。ここでまき道と奥駆け道に分かれる。


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13:20 今日一番の難所地蔵岳。
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13:42 鎖を使ってほぼ垂直に登る。
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13:53 狭い地蔵岳山頂着。
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14:17 下りも下部はオーバーハング。
降りてからも約350mは岩稜を歩く。
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15:00 四阿之宿着、悪場を無事通過。
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15:37 香精山着。
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16:14 貝吹之野着。
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16:28 やっと貝吹金剛(塔ノ谷峠)
着。あとは薄暗い植林の中を泉州下り、
イヤEPE下りで上葛川へ一目散。
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17:35 全員無事に民宿うらしま
に到着。ながい縦走の終わりです。
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5/12 9:55 民宿うらしま前で
のんびりと10:24発村営バスを待つ。
十津川役場11:20着、12:35発
八木行きバスに乗車、JR五條駅で解散。 
   

 熊野古道シリーズ番外編として、奥駆け南部の縦走をしてみたいと思ったのは、実はシリーズ当初からである。
なぜ番外編なのか、それは山中2泊3日が必須の長丁場だからで、その他のシリーズのように、ハイキングの延長
では済まぬからである。そのうえ、企画者を含む高齢者にとって、この山行に釣合うだけの気力、体力があるかど
うかも、きわどい判断である。しかし、なぜかこの区間だけは、行程を間延びしたり分割したりして、軟にしてし
まうにはスッキリしないものがある。釈迦から笠捨、地蔵岳まで、ストレートで歩き通したい、それは企画者自身
の勝手な想いというものだろうか。
 メンバー8名のうち半数が70才代である。立派なものだといえば立派だが、現実はどんなものかと想像された
い。3日分の食糧を含む個人装備が10Kg、他に共同装備がプラス5kgから1kgまで、メンバーの体力に応
じて分担する(言葉は悪いが)山岳会方式の復活である。こんなことを実践するのは久し振りだが、昨年あたりか
らそれを意識する例会はすでに始めていたので、決して突飛なことではない。でもこれは、はばかっても年相応の
振舞いとは云えないだろう。
 それにしても、目覚めてから直ぐに歩き出す一日は実に長い。4時半起床、6時出発。2日目は15時まで、3
日目は17時半まで一日11時間半の実働である。最後のピッチを残す貝吹野原までやって来たとき、やれやれと
肩を撫で下ろした。残る1ピッチは高差450mの下りのみ、所要時間は50分と知っていたからである。だが、
それを例えて、金剛山の山頂から登山口まで下るのと同じぐらい、と誰かが云ったものだから、さてもさても本当
に長い縦走だったと、あらためて強い実感をもったのである。
 だからと言って、この縦走が辛いばかりであったとは、誰も思わなかったはずである。第一にチームワークが理
想的に整っていた。延々と続く登下降に、苦しく喘ぐことがあっても、足並みが乱れることは一度も無かった。そ
ればかりか、釈迦の肩から遥か遠くにどっかりと浮かぶ笠捨山を見たとき、南の彼方から釈迦が岳の雄姿を日々刻
々と眺めたとき「おお凄い、素晴らしい!」と感嘆の声が止まなかったのは、まるで青春の日々がそこにあるかの
ような歓びであった。はたまた、山々の装いは北から南へと、何と忠実に移ろっていくのだろう。釈迦周辺では、
高い梢にわずかに芽吹いていた山毛欅の樹が、やがて笠捨山に近づくほどに空いっぱいを新緑に染めていくのだ。
石楠花の蕾みは、しだいにほころび、ついには満開の姿で迎えてくれるのである。白く可憐な五葉つつじの花、鮮
やかに咲き競うあけぼの躑躅、何一つとして季節の移ろいに逆らうものは無い。こんな摂理がしみじみと身近に感
じられる自分達が、うれしくもあり、哀しくもあるが、それだけのお年頃になってしまったのかと思う反面「いや
まだまだ、これからが勝負だ!」と満々とした意欲を表明するのだから何とも不思議なメンバーの集まりである。
 お天気運にもめぐまれた。出発日をスライド制としていたので、天気予報から一日早く出ることになったが、結
果的に全日の快晴であった。シリーズの大峰そのT、大峰そのUは両日とも雨だったので、きっとその埋め合わせ
に恵まれたのであろう。これほどしっかりと、大峰南部の山々を飽くことなく眺めたのは、初めてである。
 この山行きを契機に、少しずつではあるが、ハイエイジ登山の領域を広げてゆきたいと思う。それには云うまで
もないが、日頃の鍛錬を怠ってはならない。高齢者が故にあきらめることは無いが、高齢者が故に努力を重ねねば
ならない。山行きの準備も戦略も役割分担も、さらには最新の装備や安全対策も、若かった頃以上に備えねばなら
ない。そして、常に新鮮な目標を持ち続けることこそ、何よりも大切な事かと思うのである。
                                 (記:紀伊埜本節雄、写真:奥中種雄) 

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