オプション例会No.130 四国・石鎚山(1982m)〜堂ヶ森(1689m)縦走 例会記録
概要 『西日本の最高峰石鎚山からニノ森、堂ヶ森へ縦走します。』
日時 2010年4月17(土)〜19日(月)
天候 4/17:晴れ 4/18:快晴
担当 紀伊埜本節雄、西村晶
集合 4/17 9:30新大阪、13:19伊予西条
行程 17日 新大阪・新幹線⇒岡山⇒JR伊予西条⇒(バス)西之川ロープウェイ⇒成就(泊)
18日 成就〜二ノ鎖〜東稜〜天狗岳〜弥山〜ニノ森〜堂ヶ森〜保井野⇒(自家用車)⇒松山
19日 予備日、松山道後温泉を経て帰阪
参加者 西村美幸、紀伊埜本博美・・・ 計4名

閑散としたロープウェイ入口 シーズン中は超満員と言う

成就(じょうじゅ)の台地 石鎚山がよく眺められる

厳かなたたずまい 石鎚神社成就社神門
足元に数日前に降ったという名残り雪

18日夜明け前の5時出発
 

梢の向こうの瓶ガ森(1896m)から日が昇る 

前方右から堂ガ森 二ノ森の各ピーク 

天狗岳東稜のスカイライン 最初の岩峰は矢筈岩 上部に南尖峰 天狗岳と続く 
 
石鎚山北壁の全貌 右から弥山(1972m) 天狗岳(1982m) 南尖峰(1982m)


二ノ鎖から土小屋への道

東稜分岐点

関門と呼ばれているそうだ 右上の岩峰は矢筈岩 

下に見えるのが矢筈岩 日陰には雪が残る 要注意

東稜から見た墓場尾根か?(未確認)下部にまだ少し続く 
登ったら面白そうだ 上部は南尖峰へ連なる

東稜の中段部 モタモタしている訳ではない シャッターチャンスに応じています

上部にさしかかる ルート観察が少し必要かな?

最上部の堅い壁 相変らずのN君の華麗な登攀

ここが最後の飛び出し点 高度感抜群だ

天狗岳山頂 天気は良いし言う事なし

天狗岳から弥山へ ここまで来ると鎖がある

お馴染の風景 弥山から天狗岳を望む

石鎚山を後にいよいよ縦走へ 二ノ森 堂ガ森を望む

なんと素朴な標識一等三角点 いっぺんに惚れ込んだ

二ノ森から石鎚山を望む 右端南尖峰下によい岩壁がある

牧草地かと錯覚する ずっと先が堂ガ森のピークだ  

短い笹の密集した斜面 なぜこうなのか?冬の雪?寒気?  

堂ガ森の山頂 標識が飛び去って無いそれが堪らなくいい
     

 出発日を前日にスライドしたので、お陰様で今回も快晴に恵まれた。
成就の宿を5時に出発する。泊り客は他に無く、実に爽やかな朝である。石鎚山は初見参であるが、大峰山
と同じ修験道の山だけに雰囲気はよく似ているようだ。2時間ほどかけて二ノ鎖まで登る。数日前に降った
という季節外れの雪のせいか、ここから見る天狗岳の北壁はなかなかの迫力である。さてこのまま直進すれ
ば山頂まで一投足だが、ここから再度、北壁の基部を縫う様にして土小屋への道を下る。つまりは東稜の分
岐点で振り出しに戻るわけだ。今回の例会予告は、成就から石鎚山〜二ノ森〜堂ガ森の縦走がメインであっ
たが、フタを開けてみるとどうした訳か担当者夫婦二組の4人パーティである。さらに言うなら、今年定年
を迎えたN君と私は40年前の新人とリーダー、気心は互いに知れている。それではと、内容の変更を申請
して天狗岳東稜を経由して縦走をすることにした。実は東稜はひそかに行ってみたかったルートである。だ
が基本的には予告ルートは尊重しなければならない。これはいわば楽しい回り道である。子供の頃から回り
道は大好きである。
 石鎚山頂は西から弥山、天狗岳、南尖峰といずれも際立った岩峰が並んでいる。東稜はその南尖峰の東に
連なる急峻な稜である。一般ルートではないので誰彼なく勧めることは出来ないが、分岐点から徐々にせり
上がって行く高度感はスッキリとした気分が味わえる。N君はひそかにザイルを持参してくれていたが、出
すほどのこともなく快適に登ってしまった。とくに南尖峰に飛び出すところは抜群の高度感と、岩も堅くて
爽快である。二ノ鎖から下りはじめて3時間あまり、この道草には大満足である(このあと続く長い苦行も
知らずして、だが)。東稜では誰も会わなかったし、弥山の山頂にも人影はまばらである。こんな日と時間
をうまく引き出す事に長けてきたようだ。南尖峰の上でゆっくり昼食とした。
11時過ぎて予定通り石鎚山を後にした。これより西に向けて縦走に入る。山並みは一転して牧草地のよう
なソフトな、短い笹の密集した尾根筋である。二ノ森はほんの間近に見えていたので、この先は楽勝かと思
えた。ところが実際は遅々として進まず、2時間も経てやっと到着した二ノ森は何と堂々たる一等三角点で
ある。しかも石鎚山と対峙する標高1929mの立派な風格である。二ノ森という名前に騙されたのかも知
れない。それにしてもこの眺望はまるで空中に浮ぶ大展望台である。うれしい誤算であった。四国の山々が
こんなに素晴らしいとは失礼ながら知らなかった事である。裏から見る石鎚山の魅力も素晴らしい。ぜひこ
こから雪の石鎚山を眺めてみたいものだ、またひとつ夢が増えてしまった。
 縦走の最後のピークとなる堂ガ森まで、さらに次々と牧草地の様な笹山が続いている。またしても錯覚に
陥るようだ。ほんの四、五百米の低山を闊歩しているかの気分だが、現実は午後2時半を過ぎて到着した堂ガ
森は標高1689mである。下山口は標高550mであるから、ここから高差1100mの一気下りが待っ
ている。それでもまだ誰もが、現実に優る優雅な気分に浸っていた。ようやく笹山から離れ、廃道に近い藪
の急斜面を下り始めてやっと現実に戻った。あと500あと300あと200と、前日にN君が待置してく
れた車にたどり着くと、もはや精魂尽き果てる寸前である。時刻は午後5時少し前であった。本日の実働は
12時間である。「充実した一日やったね!」たがいに負け惜しみを言う。N君のよいところは即座に同調
してくれるところだ。よき後輩である。あとは一路松山へ、道後温泉本館坊ちゃん風呂が待っている。
コースタイム   4/18 成就5:00〜二ノ鎖7:00〜東稜分岐点8:00〜南尖峰10:00
〜弥山11:00〜二ノ森13:00〜堂ガ森14:30〜保井野登山口17:00(休み時間込み)
                    記:紀伊埜本節雄  写真:西村晶、西村美幸、紀伊埜本博美

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