オプション例会No.170 湖北・武奈ヶ嶽(865m)南谷遡行 例会記録
概要 『同山名でややこしいが、有名な比良山系の武奈ヶ岳に隠れて無名の山だが、負けず劣らず遡行価値の高い谷を持つ。』
日時 2012年7月15日(日)〜16日(月・祝日)
天候 晴れ
担当 板谷佳史、長瀬茂正
集合 7/15 15:34 JR湖西線近江今津駅(車に分乗)
行程 7/15 近江今津駅→R303→石田川ダムサイト(テント泊)
7/16 泊地→R303近江杉山(駐車)〜南谷遡行〜武奈ヶ嶽〜杉山コース下降〜杉山→近江今津駅
参加者 保木道代、寺島直子、黒澤百合子、安部泰子、村浪義光、小椋美佐、江本恭子、川守田康行 ・・・ 計10名
7/15 17:00 石田川ダムサイトにてキャンプ。
連休とあって海・山シーズン開幕だが、ここはひっそり静かな夜が過ごせた。

武奈ヶ嶽南谷遡行のGPS記録(記録者:川守田)

ダムサイトから車で10分あまり移動して南谷
入口の堰堤下に駐車。5:45 出発の準備。

しばらくは平凡な流れが続く。

2m前後の小滝が十数個続き楽しいが、
時々倒木が行く手を塞ぐのがいけない。

7:00 苔と樹林の緑が美しい谷だった。
 7:37 6mの直瀑に出会った所で直登はできず、右に巻き上がるがその上に更に5mの滝があり
続けて巻く。初めてザイルを使用し急傾斜のトラバースを100m余りで再び谷に降り立つ。
8:35 降り立った所は三俣になっており、10mと15mの滝が並んでいる。しばらく休憩。
ここからが核心部と思われるが、直登は避けて右の枝谷から巻いてゴルジュの上で再び谷に降り立つ。
三俣から上流はしばらく緩やかな流れだが、10:33 やがてこの谷最大の
15mの滝に出会う。直登できそうだが、ヌルヌルなので敬遠して右を大きく巻く。

11:00 樹林が空いてきて谷が明るくなり
水量も減ってくる。小滝やナメ滝が連続し楽しい。

11:37 流れが途絶え、樹林が切れると山頂への稜線が
見え出し、梅雨明けを予感させる陽射しの元、最後の登りだ。

12:15 最後の一頑張りで、武奈ヶ嶽山頂に到着する。

山頂からの小浜側の風景、小浜湾と青葉山(若狭富士)。

12:46 山頂を後にして杉山コースの下山に移る。山頂直下は
草稜となっており、「若狭の絶景・・・」との説明板がある。

草稜からは登ってきた南谷の全貌が見下ろせる。
草稜からの展望、左は日本海側若狭の山・三十三間山、右は琵琶湖側・比良方面。

ハイキング気分で杉山コースを下山してきたが、国道の
騒音が聞こえる所まで下ったら突然踏み跡があやふやに。
橋が流されるなど大荒れの道をフィックスロープに頼って
無理やり下るはめに、最後まで緊張する山行だった。

14:36 国道303号脇にある杉山コース登山口に到着、
この後、駐車地まで歩いて戻り、15時頃例会を終了した。

 マキノの愛発越(あらちごえ)から今津の山並みを経て朽木の三国岳(さんごくだけ)に至る80kmに及ぶ山稜は、
「高島トレイル」と名付けられて整備されている。同時にこれは中央分水嶺でもあり、従ってどの山稜からも若狭の海と
琵琶湖が眺められるのである。武奈ヶ嶽はちょうどその中央付近に位置する。整備されていると言っても分水嶺の縦走路
に限って標識類が豊富なだけで脇からの登山道は踏み跡も薄い箇所が多い。今回の南谷は分水嶺より西に位置するから日
本海側に流れる水ということになる。紹介書や経験者の記録を参考に遡行したが、巻き道などの踏み跡も非常に薄く、標
識に類するものは全く見かけず、800m級の山の谷とは思えない規模があり、新鮮な印象であった。各地で水の被害が
聞かれるさ中の沢登り例会だったが、幸いこの地では雨など全く無く、快適な二日間を過ごすことができた。
                                      記:板谷 写真:板谷、長瀬、安部

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