一般例会No.468

(ベーシック登山No.37)六甲・摩耶山周辺 読図例会 例会記録

概要

『読図の実地講習を徹底して行います。』

日時

2016年9月11日(日)

天候

晴れ

担当

野原勇、翁長和幸

集合

7:45 阪急梅田駅3F改札口前(8:00発 特急・新開地行き乗車、西宮北口駅乗換、8:30王子公園駅下車)

行程

9:00~10:00 神戸登山研修所にて座学

東山尾根~学校林道~天狗道~アドベンチャールート~掬星台⇒(バス)阪急六甲駅

参加者

寄川都美子、保木道代、西村晶、上田俊之、村木とも子、三原博子、安岡和子、小椋美佐、前田守、小川眞裕美、板谷佳史、小杉美代子、西村美幸、岡本佳久、青木義雄、杉本栄子、和田敬子、岸田暎子、黒澤百合子 ・・・ 計21名

室内講習

8:55 「地形図の整置」「現在地確認」「進行方向の決定」等について室内講習中、内容は前回講習済みだが忘れている人も多いようだ

実地講習の開始

10:05 室内講習の後、研修所の人工岩場横を通り抜けて実地講習に出発する

住宅街の最後

10:48 歩測歩行の練習をしながら市街地の最奥部に着く、指定のルートはしばらく変電所から始まる送電線沿いなのでここでは目印ははっきりしている

すでにかなりの暑さ

指定のルート(東山尾根)が始まる登山口と言うべき場所で休憩中。有名コースと違って何の標識も無い

山道に入る

11:00 踏み跡を登り始める、元々は送電線の巡視路だからそのつもりでルート判断しないと落とし穴がありそうだ

急登が続く

朝晩には秋の気配を感じる今日この頃だがとにかく暑い、東山尾根の急登が続く

風も無く暑い

11:23 風も無くまったく暑い、迷いようのない尾根をひたすら登る。ただし、現在地の確認となると尾根のどの部分に居るのか?意見が割れることもしばしば

送電線が合流しているピーク

12:40 途中、昼食休憩をはさんで送電線鉄塔が3本林立する顕著な場所(451mのピーク)に出る。ここでなら意見一致

学校林道と名付けられた道を行く

今歩いているコースは学校林道と名付けられている、時おり神戸の街が見渡せる

全山縦走路に合流する

13:22 全山縦走路、天狗道の555m地点に合流する。しばらくの間縦走路上では風があってしのぎやすかった

摩耶山のアドベンチャールートを行く

今日の実地講習では摩耶山を目前にして、アドベンチャールートと名付けられたコースに回り道する設定。岩混じりの面白いルートだが摩耶山周辺はよく整備されており指導標もあり読図が必要とまでいかなかった

黒岩尾根に合流する

14:59 黒岩尾根と合流すると道は更によくなって摩耶山山頂へと自然に導かれる

摩耶山山頂は近い

山頂近くの遊歩道で休憩中、今日の暑さは相当なもので、読図でもしごかれたので皆さんお疲れの様子

摩耶山の掬星台に着いた

15:06 摩耶山山頂の掬星台に着いた。この後15:45発のバスに乗った

実地講習のルート

実地講習のルート A~Eと辿り、Eから先の山寺尾根の下降は中止して山頂からバスで下山した。

 読図・・この言葉を聞いただけで拒否反応を起こす人もいますが、山を登る以上は絶対避けて通ることのできない道、避けてはならない道です。

 神戸登山研修所では、5月に実施した読図講習会の反省を踏まえて、理論ではなくより実 践的な講習を行いました。先読みの重要性を説明し、地形図から予定ルートの「先読み表」を作成。また今回は手軽に何時でも使えるように「正置、現在地確認、進行方向確認、山座同定」の4項目に絞った1枚の携帯用カードを配布。理解し易く、常時持っても抵抗を感じないコンパクトさを目標に試行錯誤を繰り返し作成しました。このカードに記載したとおりのことを実践できれば、読図の第一段階は卒業です。

 読図本等では無視されている技術ですが、私は経験上から歩測によるルート維持を活用しています。ただ弱点としてほぼ平坦な場所に限られる点ですが、それを知った上で使えば、市街地や平坦な林道・山道歩行では強力な武器となり得ます。今回体験していただきましたが、歩測歩行のノウハウを知り、使い慣れれば誤差10%程度に持っていけます。

 東山尾根やアドベンチャールートに引かれた登山道は実際とは一部相違していました。分かりましたか? 等高線の1本1本は航空測量によって極めて正確に引かれていますが、登山道は航空測量からは正確に把握できず、想像によって引かれている面があります。等高線は裏切りませんが、登山道は少し裏切っています。多少の欠点はありますが、それでも現時点で正確さにおいて地形図を超える存在はありません。信頼に値する物です。

 今回の例会は読図をテーマとしており、途中で説明とかに十分過ぎる時間をとりました。 厳しい暑さと疲労も考え、掬星台で本日の行動は打ち切りとしました。

 分岐や方向変換地点で何度も注意をしましたが、進行方向の確認は道標やテープ、思い込み、他の人の言動に惑わされてはいけません。頼るのは地形図とコンパスだけです。正解は地形図とコンパスの中にあります。このことを徹底して心に刻んでください。

記:野原 写真:板谷、西村(晶)