一般例会No.475

播州西脇・P450m無名峰 例会記録

概要

『2012/11 播州三草山の例会で、三草山山頂から播州街道を隔てた西に楽しそうな山稜が見えていました。地図上に山名はありませんが、このあたり一帯はゴロゴロした山塊が多く何か面白そうです。』

日時

2016年10月16日(日)

天候

晴れ

担当

紀伊埜本節雄、小椋勝久

集合

7:50 JR大阪駅中央改札口前(8:00発 新快速・赤穂行き乗車)

行程

JR加古川⇒JR社町⇒(タクシー)山口~P298~P299~P450(地図で確認下さい)~数曾寺谷~山口⇒(タクシー)JR社町

参加者

三原博子、池田える子、梅田寛子、佐藤敏子、寄川都美子、保木道代、寺島直子、西村晶、青木義雄、板谷佳史、岩本和行、小川眞裕美、大森朋江、實操綾子、藤田喜久江、和田敬子、和田都子、安本嘉代、安本昭久 ・・・ 計21名

10:15 加古川線社町駅からタクシーでR372の三草山登山口の標識のある分岐点で下車した。目指す山はその三草山の正反対の北西にある。参加者は21名、タクシー5台。楽しい一日が始まる。

10:49 まずは地図上、P186に向かう。住宅の裏庭からいきなり露岩が現れた。風化した花崗岩で、ちょうど歩きにくい傾斜が続いている。

10:57 見晴しの良いピークを通過。廻りはミニチュアの岩山。とくに西の廻谷尾根の側壁が見事なゼブラ模様、スラブ状のミニ岩溝とブッシュ状の緑の稜が交互に5本ほど並んでいる。面白い風景。

11:18 P298までまだ少しかかりそうなところ。目標のP450は意外に遠く見えるし、登下降が連続して望まれる。標高の割に手強い感じ。

12:17 P298からP299へは、ほぼ同じ高さのピークの間を高差100m近く下降した。最低コルには2m程の砂壁があり、ロープが設置されていた。

12:46 P299まで登りついてまた振り出しに戻った感じがする。足元がシダに覆われ藪が濃くなってきた。かすかな踏み跡を辿る。

13:32 送電鉄塔No165に到着、標高約320。二人の指差す方向に(東北東)P450の山頂が見える。「遠いんじゃないの?」て会話が聞こえそう。正面に見える山は(南東方向)2012年例会で登った三草山。

13:43 数曾寺谷峠通過。南へ山口、北へ鹿野(比延)とあるが、古い往来の面影はない。ただ先の鉄塔から140m下って270m登る、そのギャップの恨めしさが頭に残る。

14:02 峠の先の大きな露岩で一休みとする。さすがお疲れの様子、予定より1時間は遅れている。しかし、大部隊が縦長一列に歩めばこんなもので、なかなかの頑張りである。

14:53 本日の目標、P450の山頂に着きました。地図上は無名峰でも立派な3等三角点があります。ただ21名がゆっくり休むスペースがない。

P450の山頂から播州の展望、季節がようやく変わろうとしています。今朝、通り抜けた山麓は山田錦の米どころ、稲刈りの最中でした。

15:26 P450から南に伸びる尾根を下山路とする。赤白に塗られた鉄塔が良い目印になる。藪漕ぎは少しだけで、あとはちよっとした素敵な岩尾根が続く、快適な気分だ。

15:29 よく視れば足元に鉄鎖があります。たぶん鉄塔管理路として電力会社が設置したものでしょう。プラ階段の残骸も、この先の谷間に下る踏み跡に残っていた。

露岩帯が終わる頃、にわかに雨模様となる。あとはまずまず片手傘でも無事に済みそうだが、数曾寺谷峠から北に比延まで抜ける別案は未練なく捨てた。

16:50 空谷にひとしい数曾寺谷の下流に立派な溜池が現れる。やれやれ終了点に着いたかと誰もがホットした。鈴鹿か、比良か、その程度の山から降りてきた気分を味合う。皆さん満足できたろうか。

16:58 1時間前に予約したタクシー5台とジャスト合流した。昼間は夏の様な暑さに見舞われたが、夕暮れは釣瓶落としの秋を迎えようとしていました。

 播州の山では思いがけない愉しさに出会うことが多い。EPEの例会から見ても明神山、伊勢山、七種山、高御位と次々に浮かんでくる。大阪から少し遠いのが玉に瑕だが、低い山でもアレアレと思う露岩に出会うと思わず頬がゆるむ。何のことはない岩さえあればそれでいいのか、と言うわけではない。低い山でも、そこにちよっとしたスリリングな未知があれば、少なくとも私は大いに満足する。さらにそれが予期せぬものであれば大いに感動する。この愉しさは、決して私ひとりのものではないと思う。

 今回の例会は、2012年、三草山(歴史探訪)の山頂からこの山塊を眺めたのが動機でした。機会があれば行ってみたいと、その直後から地図上の無名峰のまま企画を温めていました。しかし実施直前になって調べてみると、何んと好んで足繁く通っておられる登山者が多々居られるようであります。たとえ小さな低い山でも、その愉しさに魅かれる気持ちはよく解ります。その方々に敬意を表しながら、新鮮な気持ちで、あと2~3回は登ってみたい山だと思いました。

記:紀伊埜本(節) 写真:西村(晶)、板谷