一般例会No.774

創立20周年記念山行・ふるさと富士を巡るシリーズNo.6 丹後富士・由良ヶ岳(640m) 例会記録

概要

『丹後富士として知られる由良ヶ岳に登り、眼下に広がる若狭湾を眺めます、登山口の由良は、安寿と厨子王で有名森鷗外の小説「山椒大夫」の舞台となった地です。』

日時

2023年6月25日(日)

天候

晴れ

担当

野原、小椋(勝)

集合

7:50JR大阪駅中央改札口前(8:00発米原行き新快速乗車⇒8:29京都駅乗換⇒8:38発西舞鶴行き特急「まいづる1号」乗車⇒10:03西舞鶴駅着⇒10:37発(京都丹後鉄道)豊岡行き乗車⇒10:59丹後由良駅着

行程

丹後由良駅~国民宿舎丹後由良荘~鞍部(東峰、西峰往復)~丹後由良駅

参加者

山倉(康)、大森、佐野、中野、岩本、森本(善)・・・ 計8名

  

  

かわいい電車を見学、京都丹後鉄道丹後由良駅にて

丹後由良駅にてリーダーのあいさつ

由良の街を歩き登山口へ向かう

農道を歩き登山口へ着く

思ったより急登が続く

由良ケ岳 東峰と西峰の分岐のコルに着く

東峰へもう少し それにしても暑い

12時40分東峰頂上にて

  

  

東峰頂上からのパノラマ 遠くに青葉山が見える

西峰への道は心地よい樹林帯が続く

13時30分西峰頂上にて

登山口に下山し由良ケ岳登山証明書をもらう

登山口の小屋(無人)には登山証明書が用意されています

15時10分里に下りてきました、後方の双耳峰が由良ヶ岳です

帰り道、踏切で京都丹後鉄道のラッピング電車が目の前を走っていく

 森鷗外の「山椒大夫」を読んだ方はおられるでしょうか。私も小学生の頃に読ん で深く記憶に残った小説です。遠い国に左遷され消息不明となった父を探しに出た母と安 寿と厨子王の姉弟が旅の途中で人買いにさらわれ、母親は佐渡に、姉と弟は丹後由良の長者 山椒大夫に売られ酷使される。将来を悲観した姉の安寿は弟の厨子王を逃した後、入水自殺。 京都に逃れた厨子王は出世して、後に丹後の国守に任ぜられ人買いの制度を無くし、悪行を 重ねた山椒大夫親子を成敗する。そして母を探しに佐渡へ渡る。中々探し出せない中、盲目 のみすぼらしい老婆に出合う。その老婆のつぶやく(安寿恋しやホウヤホレ、厨子王恋しや ホウヤホレ)という歌から母と分かるという小説です。

 今回は、以前から一度は行きたいと思っていた丹後由良。遠すぎて行く機会が無かったが、 今回由良ヶ岳に登ることが決まり担当リーダーを務めることにしました。

 コースは京都丹後鉄道・丹後由良駅から国民宿舎丹後由良荘(廃業か?)を目指す。駅か ら歩き始めてすぐに「標高4m」の表示、しばらく歩くと国民宿舎の裏に登山口、入口横に 「山の案内所」(無人)がありました。途中までは急登。深くえぐれた溝の中を進む。登り 始めて2時間程で東峰と西峰をつなぐ鞍部(595m)に到着。先ずは東峰へ。東峰の頂上には 「虚空蔵菩薩」が祀られた石積みの祠がありました。祠の前に立つと眼下に若狭湾が広がり 日本海も一望。また京都丹後鉄道の由良川橋梁、目を転じると若狭富士と呼ばれる三角錐の 青葉山の素晴らしい景色が広がる。東峰から一旦鞍部に戻り西峰へ。東峰も西峰も640mと 東京スカイツリーの標高とほぼ同じ。西峰への行程は東峰に比べて距離は遠いが、ブナ林の 広がるゆるい傾斜で楽ちん。西峰頂上に立つと「天ノ橋立」が見えました。西峰頂上からは 長い下り一方の道をスリップに注意し登山口の「山の案内所」へ帰着。ここに置いてあった 由良地区公民館の発行する「由良嶽登山 登山証明書」を1枚もらう。日付は自分で記入す るが、このような案内所を設置、証明書を発行している山も珍しい。由良地区の方々の由良 ヶ岳への愛を感じると共に、良い登山記念にもなりました。

 丹後由良駅から由良海岸へ向かい、波の打ち寄せる日本海で例会を解散としました。

     記録:野原  写真:山倉(康)、小椋(勝)