一般例会No.916

(ベーシック登山No.94) 琵琶湖疎水~三井寺&びわ湖大津館 例会報告

概要

『国宝に昨年指定された琵琶湖疎水ウオークと国宝・重文を数多く擁する三井寺、そして昨年6月公開されて以降大ヒット継続中の映画「国宝」が撮影された「びわ湖大津館」を訪れます』

日時

2026年4月12日(日)

天候

晴れ

担当

野原、西村(晶)

集合

7:45 京阪・淀屋橋駅改札口前(8:00発 快速特急洛楽・出町柳行き乗車⇒三条駅8:45着(京都市駅地下鉄乗換)京都市営地下鉄・三条京阪駅8:58発 六地蔵行き乗車⇒蹴上駅9:02着下車)

行程

蹴上駅~インクライン~水路閣~日ノ岡~小関峠~三井寺~三保ヶ崎~びわ湖大津館~JR大津京駅

参加者

駒井、上野、池田、佐野、山田、山崎、山倉(康)、長谷川、西田、島野、三原、堀、翁長、森本(善)・・・計16名

9:00 インクライン横の広場でリーダーより挨拶

インクライン(傾斜鉄道)を下る

南禅寺三門

9:40 南禅寺境内を通るレンガ作りの水路閣より水路に入る

水路沿いには早くもツツジが咲いていました

10:30 道路を少し歩いて第3トンネル入口過雨看松色に戻ってきました

両岸には桜道が続いています

新緑の季節です

観光用の船が琵琶湖方面に向かっていました

ナタネと桜 とってもいい感じです

12:30 普門寺前より小関越えの分岐点に向かう

三井寺展望台から見下ろした景色

三井寺展望台にて。たまたま近くにいた方が撮影してくれました。

遠くに琵琶湖が見えてきました

こすい散歩のスタート地点 新三保ケ崎橋に到着 鴨川まで12.5Km

琵琶湖疎水取水口。この水が京都の産業を支え、京都市内の水道水の99%を支えています。そのため京都市から「琵琶湖疎水協力金」として滋賀県に年2億3000万円が支払われているそうです。ここの施設を含め琵琶湖疎水の施設はすべて京都市の所有です。

14:20 大津京駅手前で解散しました

びわ湖大津館正面にて。この建物の中で映画「国宝」の撮影が行われました。

 今回の例会を考えたきっかけは昨年8月「琵琶湖疎水」が国宝になったというニ ュースに接したこと。このニュースをきっかけに「琵琶湖疎水」について調べると驚くこと の連続でした。当時の京都府予算2年分の巨額を要した疎水工事を担当したのが工部大学 校(後の東京帝大工学部)を卒業したばかりの21歳の田辺朔郎(さくろう)。この若者が 書いた卒業論文を読み、京都に招聘した京都府知事の人物を見抜く力とその期待に見事に 応えた若者に感動するばかりでした。琵琶湖疎水を例会に取り入れると決めた瞬間です。

 今回「国宝」に指定されたのは5点、その全てを訪ねる計画を立て、先ず一つ目の国宝「琵 琶湖疎水インクライン(傾斜鉄道)」を歩く。その後南禅寺境内を通り抜け二つ目の国宝「南 禅寺水路閣」に向かい水路を辿って蹴上に戻りました。工事が完工した際には京都市街には 日の丸、提灯が掲げられ、祇園祭の山鉾が並び、大文字に火が入ったという。この第一疎水 完成によって作られた水力発電所の電気が京都の産業復興、家庭に電灯が灯り、日本初の路 面電車に繋がり、その後の第二疎水の完成によって慢性的な上水道確保も成し遂げました。

 その後、国道沿いを歩き三つ目の国宝「第三隧道(トンネル)」に向かう。第三隧道手前 の小橋が重文指定の「日ノ岡第11号橋」。これが日本最初の鉄筋混凝土橋(コンクリート 橋)、こんな粗末な小橋が重要文化財と知り驚くばかりです。

 その後水路に沿って「天智天皇陵」横を歩き、四つ目の国宝「第二隧道」上にある疎水公 園(疎水沿い最大の広場)で昼食休憩。ゆったりして景色も良く、のんびりできる公園です。

 昼食後、一旦街中をとおり五つ目の国宝「第一隧道」に向かう。この第一隧道が長等山を 貫く琵琶湖疎水最難関の土木工事現場でした。この第一隧道は琵琶湖側から、京都・山科側 から、山の中腹2カ所からと合計4カ所から掘り進め地下でドッキング。この山の中腹から 47m真下に掘り下げた第一竪坑の工事では17名が殉職。明治中期、知識も経験も資材も無 く日本最初の日本人だけで成し遂げた2,400mを超える全て手掘りのトンネル工事。貫通 した際に測量すると誤差は縦方向1.6mm、水平方向6mmという驚異的な精度だったとい う。この難工事完成は土木先進国イギリスをも驚かせ、田辺朔郎が書いた卒業論文に対して イギリス土木学会は最高賞を授与して称えています。

 余談ですが、田辺朔郎はその後東京帝大教授、北海道の鉄道計画、京都帝大教授、関門ト ンネル工事、大阪市営地下鉄工事等に参画し昭和19年死去、享年84歳。

 この第一隧道を後に三井寺に向かう。三井寺では「観音堂」を見て展望台に上がりました。 展望台からは眼下に広大な琵琶湖、大津市街等絶景が広がっていました。

 その後三井寺を後にして琵琶湖疎水に復帰。琵琶湖疎水の琵琶湖側始点にある疎水取水 口を経て、最終目的地「びわ湖大津館」に向かう。途中、体調不良者が出たためJR大津京駅近くの茶が崎交差点で解散としました。この時点で総歩数は27,000歩程度、所要時間は休憩を加えて想定内の5時間余りでしたが、ほぼ平坦な道とはいえ長すぎたようです。

 参加者16名中、希望者10名が「びわ湖大津館」へ向かい、観客動員数を塗り替え続けている映画「国宝」が撮影された建物内から琵琶湖の景色を楽しみました。

               記録:野原    写真:西村(晶)