オプション例会No.185

湖北長浜・虎御前山(224m)

ハイキング+歴史探訪No.23+プラスαNo.10共催 例会記録

概要

『虎御前山は小谷山城の南に位置する小さな山です。ここが戦国小谷山城攻防戦の信長軍最前線基地となったところです。小谷山落城の火炎を背に、後に天下の命運を握る娘三姉妹を手にかろうじて救出された、お市の方の心情はいかばかりか?私たちもその同じ場所に立って往時を偲んでみましょう。帰路は長浜の老舗「鮎茶屋かわせ」で鮎尽くしを頂きます。』

日時

2013年6月9日(日)

天候

晴れ

担当

紀伊埜本節雄、小椋勝久

集合

JR大阪駅中央改札口 7:15(7:30発 新快速米原経由塩津行き乗車)

行程

米原駅で普通列車に乗り換え⇒虎姫駅~虎御前山~河毛駅⇒長浜駅~「鮎茶屋かわせ」~長浜駅⇒大阪駅

参加者

福田直也、櫻井宏子、松田芳治、安本嘉代、安本昭久、寄川都美子、欅田克彦、紀伊埜本博美、山下登志子、高木恵美子、野原勇、大石隆生 ・・・ 計14名

9:15 JR虎姫駅着 無人駅ではなく立派な新装駅舎です。失礼ながら北陸本線です。しかし、長閑けしものかな青い空だ。

駅前に元三大師(がんざんだいし)の大看板、比叡山延暦寺の中興の祖とされる(912~985)。別名角大師とも呼ばれその姿は魔除けのお札として今もべストセラー。生誕地はこの虎姫とか。

県立虎御前山キャンプ場の展望台から、左前方アンテナ塔付近が虎御前山の南端峰、その右が小谷山、小谷城の主要閣はその右肩の突起した稜線上にある。

自家製の広域地図を広げて小谷城攻防戦を再現する。小谷城、丁野城、山本山城と東西に連なる堅牢な防衛線、その北側には浅井支援に駆け付けた朝倉義景軍2万の軍勢、それがなぜ脆くも敗北したのか?

伝、滝川一益砦跡から見る小谷山(494.5m)その鞍部から右の台形に小谷城(398m)がある。鞍部の下に清水谷がつづく、浅井長政の妻お市の方が幼い娘三姉妹を生かさんとして 落城の炎を背に清水谷を下り信長陣へと脱出したルートです。

小谷城攻防戦の3年前、同じ織田信長軍と対戦した姉川の合戦とは小谷城から南に数キロ、画面手前から真直ぐ伸びる北陸自動車道と直角に交わる濃い緑の帯が姉川の堰堤です。両軍合わせて5万の軍勢の轟きが手に取るように望まれる。

今年から初登場した虎姫町の田んぼアート、描かれたのはズバリ角大師の魔除け像、種類の異なる稲を植え付けての作品。そう云えば例会三徳山投入堂から持ち帰った魔除札と同じ。見頃は6月末かな?

10:36 伝、堀秀政砦跡で早い昼食、プラスアルファーに備えての作戦です。見目麗しい美少年と云われた堀秀政を思いながら皆さん腹6分目の調整に勤しみます。爽やかな梅雨晴れです。

ここが織田信長砦跡 右の復元図のように大小様々の曲輪に囲まれた最高地にある。本能寺に没する10年前、信長が最も光輝き精力的に駆け回った数年である。下天は夢か、津本陽氏の作品などお手元の愛読書を今一度ひもときましょう、信長と同じ場所に佇んだからこそ。

構築に当たって周辺の樹木は全て薙倒したことだろう。小谷城攻防の最前線基地だけに防御も怠らなかったろうが、その全貌は威風堂々満々とした迫力に満ちていたに違いない。なにしろ眼前の敵、浅井軍小谷城から見て真下に望まれるのだから。

11:29 伝、木下秀吉の砦跡 隣の柴田勝家より上部に位置するのは怪しいのだが、考えれば彼は当時、長浜の横山城を預かる城主である。小谷城攻防戦の先導的主役であったに違いない。

伝、柴田勝家砦跡 ほとんど平地に近い位置にある。事実はさておき地元の伝承にも多少の秀吉びいきがあったろう。この11年あと勝家、秀吉の二人は賤ヶ岳に戦い、お市の方は勝家の妻として再度、北ノ庄落城に見舞われる。絶世の美女ゆえの傾城の運命でしょうか。

前方の小谷山と、こちら虎御前山の間はわずか500mばかり互いの陣営の兵士達も戦々恐々とした思いだったろう。

西方(河毛)から見た虎御前山の全貌、道路左手に小谷山がある。虎御前山の標高は約230m、小谷山山頂は494.5mである。

13:10 戦国の夢から解放されて長浜の街並みを散策する。舟板塀に囲われた屋敷街、秀吉とねねの若き日の拝領地である。なかなかの善政だったと伝えられているが。

舟板塀筋と交差する旧北国街道、この街道がまた数々の物語を秘めている。数年前の大河ドラマ以来、少し整備され過ぎかなと思うが、本来の味わいは街外れにただよう。

14:50 ようやく琵琶湖畔にある鮎茶屋の暖簾をくぐる。歩いてきた訳ではない、若大将が送迎車を出してくれました。

ピチピチの鮎尽くしに歓声、雰囲気も、値段もお手頃で好し美味いものは足で探せ、誘われたら行ってみよう。長生きはしたいものです、それが我らの身上だ。

信州は白馬から参加したM氏もご満悦の風。人とは何か、人の行く道は何か、この方のつぶやきは謎めいて面白い。眼前の鮎も忘れての放談、愉快です。

大窓いっぱいに拡がるのは伊吹山、晴れた日の雪に覆われた風景は壮大だろう。何時の日かまた来るべし、そのときは琵琶湖特産のうなぎにしよう。

 6月半ばと云うのに爽やかな青空に恵まれました。午前中は虎御前山で歴史探訪、午後は鮎茶屋で本場の鮎尽くしと、EPEならではの結構な例会です。小谷山城へは歴史探訪シリーズ2番目の「雪の小谷山城と盆梅展」から数えて8年目になります。シリーズは今回で23回目を迎えました。何となく感慨深いものを感じます。若い頃に比べて一番違うなと思うことは、一期一会の意味するものが、ズシリと重く実感できることです。我が身辺の事柄ばかりではなく、歴史上の様々な移りゆく出来事にも、あぁ~と感嘆するに何の憚りもありません。ときには涙も浮かぶほどですが、それがまた午後にはカラリと変わり、乾杯と談笑この落差がたまらなく痛快です。次回もさらに楽しく面白く、ハイキング+歴史探訪+アルファーと頑張りましよう。

記:紀伊埜本(節) 写真:小椋(勝)、大石、紀伊埜本(博)