オプション例会No.217

北ア・劔岳(2,999m)例会記録

概要

『日本百名山中最難関と言われる雪と岩の殿堂、劔の頂へ。』

日時

2015年7月17日(金)~21日(火)

天候

7/17:雨、/18:強風雨、/19:風雨一時曇り、/20:晴れ、/21:快晴

担当

野原勇、板谷佳史

集合

7/17夜 22:10 JR大阪駅、22:30発西日本JRバス富山行き乗車

行程

7/18 6:54JR富山駅着⇒(富山地鉄)立山駅⇒(立山ケーブル)美女平⇒(立山高原バス)室堂
     ~雷鳥沢~別山乗越~劔御前小舎(泊)

 /19 泊地~剣沢~剣山荘(泊)

 /20 泊地~劔岳往復~剣山荘~剣沢小屋(泊)

 /21 泊地~剣沢~別山乗越~雷鳥沢~室堂⇒(富山地鉄夏山バス)富山駅前⇒(阪急高速バス)大阪梅田

参加者

寺島直子、安岡和子、小杉美代子、小椋美佐 ・・・ 計6名

 

 

7/17 台風11号の通過でダイヤ大混乱の続く大阪駅に集まり、JR高速バスで富山を目指す。

室堂平を出発する

7/18 10:25 台風11号はすでに日本海に出たはずだが、天気の回復は無いようだ。雨の室堂平を出発する

雷鳥沢の登り

11:36 雷鳥沢を登って行く。天気は悪化の方向

雷鳥坂を登る

13:15 雷鳥坂を登る、別山乗越はもう近い。この頃より強風が更に強まって険悪な天候に。

7/18 雨の室堂を出発、別山乗越に立つ劔御前小舎で休憩後、濃いガスと猛烈な風を伴った雨の中剣沢を目指すが、降り口を間違え雪渓を下降。吹き飛ばされそうな強風に途中でそれ以上の下降は危険と判断、別山乗越に引き返し予定変更して劔御前小舎で宿泊とした。

剣山荘で停滞中

7/19 期待した天候回復は無く昨日と変わらない強風雨のなかを剣山荘まで行くが、今日の本峰往復は無理と判断。ここで一日停滞することに・・

ヒマを持て余してクサリ場通過方法の室内講習会中。

 

7/19 午前4時半劔御前小舎出発、通常ルートを剣沢へ下り剣山莊へ。風雨が強く今日の登頂は断念。一時は頂上を諦め予定通り明日の下山も考えたが、明日の天候回復が見込まれるうえに、メンバーの登頂意欲も強く緊急連絡先と各メンバーの留守宅に了解を取ったうえで、日程を延長し頂上を目指すことに決める。昼食後宿泊室にロープを張り、ハーネスを着けクサリ場の通過方法やカラビナ、シュリンゲの使い方等の講習を1時間半程行った。

剣山荘を出発する

7/20 3:51 劔岳山頂に向け出発準備完了

小屋からの登り

4:15 ガスってはいるが今日は穏やかな天気、夜明け前の暗闇の中、劔岳アタックに向かう登山者の列

ガスの中、休憩

4:40 一服劔にて、休憩

久しぶりの日差し

久しぶりに日の光を見る。後立山連峰も見え出す、今日の天気は期待できそうだ

一服劔への登り

5:30 前劔手前の前劔大岩のクサリ場を登る

前剣に続く岩稜を辿る

前劔に続く岩稜を辿る、晴れ上がりつつある背後の景観がすばらしい

武蔵のコルを通過

6:23 前劔を降ったコルにてブリッジを渡る

源次郎尾根が見え出す

迫力ある源次郎尾根が眼下に現れる

カニのタテバイを登る

8:04 カニのタテバイを登る。ここで少し渋滞。下で順番待ち中にカニのヨコバイの通過者から落石をもらう

山頂は近い

9:18 山頂への最後の稜線を行く、山頂の祠が見えている

山頂

9:24 劔岳山頂(2999m)に立つ

カニのヨコバイへ向かう

10:35 下降に移り、カニのヨコバイの通過。我々メンバーと、ヨコバイの上を登る迷惑逆行外国人クライマー(黒い服装で忍者のよう)

ハシゴの通過

10:42 ハシゴの下降、この下に降り立つと平蔵のコル

平蔵の頭を登り返す

11:08 平蔵の頭への登り返し

平蔵の頭を仰ぐ

平蔵の頭への登り返しを仰ぐと、紺碧の空になってきた

越えてきた室堂平

平蔵の頭を下った先にある展望台まで下降してきた、天候の回復と共に越えてきた室堂平が広がる。

剣沢小屋に下山完了

16:40 剣山荘を通過し、体調を崩した最後のメンバーが剣沢小屋に下山する。今夜はここで泊

 

 

7/20 早朝4時、ハーネス、ヘルメットを着用、ヘッドランプを点灯し小屋出発。一服劔を越え前劔へ。前劔からが本番、前劔を越え鞍部にかかる両側が切れ落ちた4m程度の細長い鉄のブリッジ通過にメンバーが躊躇していると板谷さんの一喝。平蔵ノ頭の下降ではクサリにカラビナを通し安全を確保しながら進む。カニのタテバイでは先行者が繋がっており時間待ち。時間待ち中にヨコバイから落石があり安岡さんの靴に当たる。タテバイでもたもたしているメンバーに再度板谷さんの一喝、劔岳頂上9:25到着、メンバーひとり一人とがっちり握手。雲が多く期待した展望はなかったが、メンバーは満面の笑顔に包まれる。
 帰路下降専用のカニのヨコバイを逆行して登ってくる外国人と遭遇。その時点で私の後ろには我がメンバーを含め10名ほどがヨコバイに連なっており、また次々と増えてくる状況でこの難所をとても逆方向から登れる状況でない。ジェスチャーをまじえバックするように伝えるが、ヨコバイの上の壁を登ってしまった。岩の登り方を見ていると上手いと思ったが、万が一の場合には他人を巻き添えにしかねない危険な行為だ。
 その後も気の抜けない状況が武蔵のコルまで続く。午後3時45分剣沢小屋到着。この日の所要時間は体調不良者がおられたこともあり、休憩を含め11時間45分。平均タイムの倍近くかかっており劔岳に登りましたと胸を張れるような登頂ではなかったが、参加メンバーにとっては気を張り続けた時間であったと思う。

剣沢の朝

7/21 4:05 剣沢の朝、入山以来の最良の天気となる

別山乗越へ向かう

5:45 小屋の朝食をゆっくりと頂いた後(前々日、前日の朝食は弁当)、別山乗越へ向かい帰路につく

よく晴れた劔岳

剣沢から劔岳の全貌を振り返る、入山以来山頂まで見通せたのは今朝が初めてだ

室堂平を見下ろす

8:05 別山乗越を越え、室堂平へ向かう

ミクリガ池に戻る

12:10 みくりが池温泉でゆっくりした後、賑わうミクリガ池を観光気分で通過

 

7/21 雲ひとつない快晴の朝を迎え、小屋での朝食後下山開始。青空をバックに劔岳が朝日に輝いている。みくりが池温泉で入浴と昼食。室堂で本例会を解散とした。 楽しかっただけでなく、辛いことも、怖かったことも多々あったと思いますがメンバーの満足感、笑顔にこの計画を担当した者として癒されました。昨日の劔岳頂上から室堂到着まで何度も何度も「ありがとうございました」と言われ続けましたが、担当者としては「無事に下りてくれてありがとう。お疲れ様でした。」とお返しします。また面白い山、心に響く山に登りましょう。

 

剣岳の花々

イワギキョウ

イワギキョウ

ミヤマリンドウ

ミヤマリンドウ

ヨツバシオガマ

ヨツバシオガマ

トウヤクリンドウ

トウヤクリンドウ

ハクサンフウロ

ハクサンフウロ

シナノキンバイ

シナノキンバイ と ウラジロタデ

クルマユリ

クルマユリ

ハクサンイチゲ

ハクサンイチゲ

 

記:野原 写真:野原、板谷