オプション例会No.227

第14回スキーカーニバル・イン北海道・キロロスキー場例会記録

概要

『キロロスキー場はスキーカーニバルでは2回目になります。近年、地球温暖化が問われていますが、私共の実感として北海道も3月に入ると湿雪に出会うことが珍しくありません。そこで今年は2月中旬に開催することにしました。 キュキュ、キュキュと鳴る乾燥雪、雄大なロケイションと、ドアーツードアーの醍醐味、今年も楽しく賑やかに滑りたいと思います。』

日時

2016年2月14日(日)~18日(木)

天候

2/14:雨、2/15:猛吹雪、2/16:強雪、2/17:強雪、2/18:小雪のち晴れ

担当

紀伊埜本節雄、西村晶

集合

2/14 8:30 関西空港JALカウンター前

行程

2/14 関西空港⇒新千歳空港→シャトルバス→キロロ・トリビュート・ポートフォリオ・ホテル

2/15 終日スキー

2/16 終日スキー

2/17 午前中スキー 午後 札幌市内のホテルに移動

2/18 札幌市内散策→新千歳空港⇒関西空港

参加者

大石隆生、上原進一、和田良次、和田敬子、西村美幸、紀伊埜本博美、安本昭久、安本嘉代、寺島直子、杉本栄子、片山純江 ・・・ 計13名

2月14日 出発日と春一番の嵐が重なって欠航が懸念された。ちなみに、予定便が欠航となればスキーパックそのものも失効となる。たとえ返金されたとしても、スキー用具は既に空を飛んで北海道にある。

キロロ・トリビュート・ポートフォリオ・ホテル(難しい名称だ)の豪奢なラウンジの一角。チェクイン前にビール、ワイン、コーヒーなどご自由にどうぞと奨められた。フロントの不備から入室が遅れたそのお詫びとのこと、有難く頂戴した。

2月15日 春一番のあとは予定通りの強い冬型気圧配置。今日一日は駄目かと思ったが、中段までクワットリフト3台が稼働した。吹雪、強風、寒気の3セットでナイター用のカクテルライトが自動的に燈火されている。

視界数メートル、キロロは3回目だがどこをどう滑るのか皆目見当がつかない。右の表示板が赤と緑の2本のコースを分けている。「赤のキツネと緑のタヌキ」(カップ麺のコマーシャル) よっしゃ!キツネから行くで!

緩斜面は風に戻され、急斜面は吹き上げる雪がゴーグルに張りつく、意外に湿雪?足元の板は重くてままならない。まあ~こんな日もあるで、それでもスキーは楽しく面白い。

はて?気が付けば午後のゲレンデは空いている。黙々と滑降するのはEPEの仲間だけ?寒気が一段と厳しくなり、最終集結に手間取っている間に全身氷漬けとなる。あとは温泉で解凍しましょう。それも醍醐味だ。

2月16日 前日と同じ場所、同じ風景、同じ時間、雪はサラサラと降る。でも、歩く足元からキュキュと雪が鳴る、雪質は軽い。今日はやるでえ!

ゴンドラが稼働して朝里山頂(1180m)にいる。昨日の観測では最低気温-21℃とあったので、今日も同じかもう少し厳しいだろう。全員が中着を1枚重ね着している。顔と指先を注意するほかは大丈夫だよ。

山頂からの滑降でエキスパートルートに迷い込む。視界は効かず深雪の中、全員の集結に約1時間を要した。まるで山スキーの世界にあるようだ。反省と早めの昼食を兼ねてランチハウスで熱くなった頭を冷やすことにした。

午後も雪は降り続く、滑れど滑れど新雪の滑降、スキー板は完全に雪面下で泳いでいる。「ディスイズ パウダースノー!」うれしい悲鳴だ。そしてわずか一刻だが青い空から太陽が覗いた。御日様ほどありがたいものはない。

2月17日 前日、前々日と同じ場所、同じ風景(朝一番のスタート点) 雪はやはりサラサラと降っている。冬型が3日続いたが、これを承知で2月の北海道に来たのだ。この日が最終日、悔い無き様に思切り滑りたい。

余市A、余市Bコースはともに滑走距離約2000m(キツネとタヌキコース) 誰もが一歩でも前進したい思いから、午前中に7本も滑ベってしまった。距離にして14キロになる。ようやく満ち足りた気分になる。

キロロ、ト・ポ・ホテル(旧ピアノホテル)のロビー。天井は12階まで吹き抜けの豪奢な造りである。EPEの仲間は毎夜こうして反省会を催す。話題は常にこの先の夢である。

午後3時 札幌に移動するリムジンバスに乗る。雪はついに降り止まず、北海道の冬を満喫する。毎日ここで暮らすとなれば大変だろうが、帰る日がある身を幸せと思うべしか?

食べ物は全部紹介したいのだが慎みも必要だろう。だが、これが正に海鮮丼だ! ぼたん海老の抜き身、紅鮭、マグロ、ホタテ、たっぷりのイクラに山葵、イカそうめん、、ここまで書くのは悪趣味ですね、お許しあれ。

炭火焼きのテーブルには牛肉、豚肉、鹿肉、ハム、ソーセージ、ベーコン、野菜エトセトラ。手前のテーブルは海鮮焼きと北海道限定販売のサッポロクラシックビール、これはまたたまらないコクと旨味、、、止しましょう。ただ、疲れた体にたっぷり栄養を補給しました。

EPEスキー・(カ)で帰路、札幌に泊ったのは初めてのことです。ホテルに近いススキノの繁華街をひやかし歩くほどのこともなく、狸小路に化かされて早々に食い意地を張る。そういえば、雪祭りの雪像は既に廃墟となっていた。

ビルの狭間の札幌時計台、百何十年前とは異なる雰囲気だろうが、札幌農学校のクラーク先生 「老人よ大志を抱け」ともう一度云ってほしいものだ。

 EPEクラブのスキーヤーの年齢は如何程だろうか。例えば今年、参加者の年齢は正確に平均65.9歳である。髙いか低いかは答える人にもよるだろうが、昔を想えば驚かぬ人はないだろう。

 数年前のこの記事で東北、北海道のスキー場は設備は最高、ゲレンデはがら空き「高齢者スキヤーの天国」だと書いたが、事情は徐々に変わりつつある。若者のスキー離れ(ボードも同じ)は言うまでもないが、一つは私ども同世代の活動がピークを過ぎ始めたこと。一つはスキー場の経営が枯渇し国外資本に譲渡が進んいること。今一つ外国人スキーヤーの増えてきたことである。前々度にヒラフ花園のオーストラリア勢に驚かされたが、今回はキロロの中国人客の多さに驚いた。6年前のスキー・(カ)で泊ったマウンテンホテルはシェラトンホテルに、当時閑散としていたホテルピアノはト・ポ・ホテルに様変わりされている。いずれも満杯である。歳月は流れる水の如しとはこのことだが、あえて虚無感を装うことはない。少なくともこの変化で北海道のスキー場は当面安泰である、良しとしよう。まだまだ私共の世界は健在である。世間から怪物と呼ばれるまで。

 尚、キロロリゾートが中国系ファンドに買収されとの情報は間違いでした。米国スターウッドホテルに移譲されたものです。訂正します。

記:紀伊埜本(節) 写真:西村(晶)、大石