オプション例会No.234

東北・朝日連峰・大朝日岳(1870.7m)~以東岳(1771.9m)
例会記録

概要

『東北・朝日連峰の核心部を縦走します。百名山だといっても交通は不便、稜線上の小屋は全て避難小屋であり宿泊用具や食料の携行が必要です。それだけに東北でも自然が最も残った山域となっています。』

日時

2016年9月22日(木・祝)~25日(日)

天候

9/22:曇り後雨 /23:曇り後強風雨 /24:晴れ後曇り /25:晴れ

担当

板谷佳史、杉本康夫

集合

9/22 11:50 JR山形駅(11:55発左沢線に乗車)

行程

9/22 JR左沢駅⇒(ジャンボタクシー)朝日鉱泉(泊)

 /23 朝日鉱泉~二俣~中ツル尾根~大朝日岳~大朝日小屋~西朝日岳~竜門山~竜門小屋(泊)

 /24 竜門小屋~寒江山~狐穴小屋~以東岳~オツボ峰~三角峰~大鳥小屋(泊)

 /25 大鳥小屋~泡滝ダム⇒(登山ハイヤー)日帰り温泉ぼんぼ⇒(バス)JR羽越本線・鶴岡駅

参加者

小川眞裕美、小椋美佐、保木道代、前田守、安岡和子 ・・・ 計7名

朝日鉱泉へ向かう

9/22 12:42 JR左沢駅で予約していたジャンボタクシーに乗り込む

朝日鉱泉夕食メニュー

朝日鉱泉の夕食メニュー

イワナときのこ山菜類

イワナと朝日岳産のキノコ、山菜類が並ぶ

乾杯

明日からの縦走の無事を願って乾杯。みんな元気な顔

9/22 前夜発の夜行バス乗車組と当日新幹線乗車組が山形駅で合流、雨が降り出した左沢(あてらざわ)駅から予約したジャンボタクシーで朝日鉱泉に向かう。途中でワイン祭(左沢線は別名フルーツライン)の会場に寄ってくれたがかなりの雨になってきて早々に引き上げて今日の宿泊地朝日鉱泉へ・・。鉱泉入浴後、山の幸の食事と山形の酒を頂き明日への英気を養う。小屋主の予報では明日朝にはいったん止むとのことだが、雨は相当な強さで一晩中降っていた。

朝日鉱泉を出発

9/23 6:00 少し雨が残る朝、朝日鉱泉を出発する

何度も吊橋を渡って行く

何度も吊橋を渡って行く

朝日川沿いの道を行く

歩き出すと雨は完全に上がって蒸し暑くなった、ほとんど高低差の無い朝日川に沿った道を辿る

中ツル尾根の取り付き点

8:50 中ツル尾根の取り付き点に到着、ここから標高差1200mの急登が始まる

四合目に到着

10:00 下部の急登が一息ついてホッとする四合目(1060m)

美しいブナ林が続く

中ツル尾根は美しいブナ林が続く、最短のルートだが急登が続くため敬遠されるのか、この日登る登山者は我々だけだった

樹高が低くなる

11:35 樹高が低くなって見晴らしが良くなる。この頃は下界が見通せるほどの天気だったのだが・・

朝日岳手前のピーク

12:42 大朝日岳手前の偽ピークを登る頃には再び雨が降り出し、ガスに包まれてしまった

大朝日岳山頂

13:02 大朝日岳山頂に立つ、晴れていれば大展望のはずだが・・

大朝日小屋で休憩

13:33 雨の山頂を早々に退去して大朝日小屋に駆け込んで休憩させてもらう

雨中に映えるリンドウの紫

雨中にリンドウの紫が映える、秋を感じさせる色です

西朝日岳

15:08 西朝日岳山頂に立つ、ここから先稜線上では吹きさらしの強風雨となってくる

強風の中で写真

吹きさらしの場所ではよろめくほどの強風雨だが、樹の陰に入ると写真を写せるほどの余裕あり

竜門小屋に到着

16:13 特徴の無い竜門山山頂は立ち止っただけで通過して竜門小屋に到着した。悪天のため早くから入っていた登山者が多いらしく我々のスペースは狭い

9/23 弁当にしてもらった朝食等を済ませ、6:00 雨はほとんど止んでいるが下草は濡れているし、樹上からのしずくもあるから傘や雨具を着けての出発。朝日川に沿った道を2時間50分で中ツル尾根の取り付きへ、二合目660mの表示があるからここから標高差1200mのひたすらの急登である。終始美しいブナ林が続く。時おり暑い日差しが射すほどの天気になったのだが、大朝日岳直下の稜線に出る頃には雨模様となりガスに包まれてしまい展望皆無の山頂に立つ。早々に立ち去って大朝日小屋に駆け込んでしばし休憩させてもらう。更に縦走路を行くと次第に風雨が強まり、西朝日岳を通過後はどうなるか?というほどの横なぐりの強風雨となる。それも1時間ほどのがまんで、竜門山を通過する頃には弱まり今日の宿泊地竜門小屋に入る。最盛期を過ぎて小屋管理者は居らず、ビールを譲ってもらうこともできない。明日は晴れるはずと期待して持ち上げたワイン、焼酎で大朝日岳登頂を祝って乾杯。

竜門小屋前の朝

9/24 5:50 竜門小屋の東方を望む、前日の雨もやみ気分さわやかだ

出発準備も軽やか

6:23 今日の行程は昨日よりは短いので、6:30の出発とする。晴れれば準備作業も軽やかに

月山を望む

縦走路を行くと北方に月山が浮かぶ

寒江山を目指す

6:36 今日の最初のピーク寒江山を目指す

南寒江山

7:30 南寒江山に立つ、越えてきた稜線の先に大朝日岳の鋭いピークが覗いている

寒江山山頂

7:50 寒江山(かんこうざん1695.3m)山頂に立つ、雲海に浮かぶ遠景は飯豊連峰

狐穴小屋

8:54 建て替えされたようできれいな狐穴小屋に到着、まだ小屋管理者が居て内部も美しく管理人の人柄がしのばれる。ここの広場でしばし休憩

中崎峰付近

9:48 今回の縦走最後のピーク以東岳との中間にある目立たない中先峰(1523m)付近を登る

以東岳

11:43 ついに以東岳に到着する。この山の標識はなぜかこの三角点がある最高点ではなく少し低い所に設置されている。さすが200名山とされているだけあって堂々とした山容

大鳥池を見下ろす

以東岳からは今日の行き先大鳥池が見下ろされる、小屋も見えているがちょっと辛い下りが待っていた

以東岳からの縦走路

下る前にもう一回オツボ峰への登りがある。このあたりの紅葉が最も進んでいた

14:55 うんざりするほどの長いブナ林の急斜面を下って大鳥小屋(タキタロウ山荘)に到着。大鳥池にはイワナも放流されていて子供も釣りを楽しんでいる

9/24 期待通り清々しく晴れた。通過してきた文字通り朝日に映える大朝日岳を振り返りながら、北に月山や羽黒山、東に蔵王連峰、南に飯豊連峰が雲海の上に浮かんでいる。更に西には日本海の海岸線と佐渡島までを眺めながらの縦走が続く。
 寒江山(1695.5m)~三方境(1591m)を経て狐穴小屋着。小屋管理者が居て「ビール譲ります(800円)」と張り紙あるのを横目に見ながらの休憩。続いて200名山というだけあって雄大な山容の以東岳を目指す。以東岳山頂からは今日の宿泊地である大鳥小屋のある大鳥池が見下ろせる、あとひとがんばりだ。紅葉の始まったオツボ峰~三角峰への稜線が美しい中を辿る。更に気力を振り絞って疲れた足にはこたえる急下降で大鳥池畔の大鳥小屋に降り立ち、今日の行程が終了した。ここまで降りるとビールは500円になった、上で買わなくてよかった。屋外のベンチに集合して食事をする、そんなことができる天気がありがたい一日であった。

大鳥小屋の朝

9/25 5:40 出発前の大鳥小屋前、今日も好天だ

泡滝ダムへの道

7:08 大鳥川に沿った道を下り最後の吊橋を渡る。今回のルート中の橋は整備されていて問題なく渡れる。この後8:50頃泡滝ダムの駐車場に下山完了し、9:00で予約した登山ハイヤーに乗り込む

9/25 最終日も好天で明けた、予約してある泡滝ダムからの登山ハイヤーに遅れないよう先を急ぐ。ダムの駐車場に到着するとタイミング良くハイヤーが来てくれ時間待ち無しで乗車、「日帰り温泉ぼんぼ」で下してもらう。三日間の汗を流してゆっくりできた。その後、路線バスにてJR鶴岡駅へ向かう・・そこで解散とする。前半は風雨にさらされ、なんの展望も無く辛い例会となりましたが、その分後半の好天で十分取り戻せたのではないでしょうか。
 鶴岡駅で解散後は新幹線帰阪組、夜行バス帰阪組、東北旅行組に分かれることとなりました。
(避難小屋について・・一般の概念では避難小屋とはあくまで非常事態の登山者を想定したもので、そうでない場合の宿泊は禁止されている山域もあります。今回の山域の避難小屋は山形県が設置したもので、計画的な宿泊が前提のものばかり。最盛期には管理人が常駐し管理協力費:1500円/一人、トイレ使用料:100円。避難小屋である以上人数には制限無しとのこと。管理人個人の好意でビール等を譲ってくれる小屋もある)

記:板谷 写真:板谷、杉本(康)、前田