オプション例会No.243 |
熊野参詣道小辺路 例会記録 |
概要 |
『真言密教の高野山と神々の聖地・熊野本宮大社を結ぶ参詣道で伯母子峠・三浦峠・果無峠を越えて熊野本宮へと至る、歩行距離70kmの山岳ロングルート「小辺路」。紀伊半島を縦断する道は苔むした石畳、茶屋跡など、昔の古道の雰囲気を残しています。』 |
日時 |
2017年5月20日(土)~23日(火) |
天候 |
全日快晴 |
担当 |
西村晶 |
集合 |
5/20 南海難波駅(6:30発 急行・高野線橋本行きに乗車、橋本駅で極楽橋行に乗換え、極楽橋着、8:02発ケーブル高野山駅⇒南海りんかんバス千手院橋バス停) |
行程 |
5/20 千手院橋バス停~薄峠~大滝集落~大股~桧峠~伯母子岳~伯母子峠(小屋泊) 5/21 泊地~水ヶ元茶屋跡~三浦口バス停~三浦峠~矢倉観音堂~西中バス停⇒(バス)十津川温泉 泊地(えびす荘) 5/22 泊地~果無集落~観音堂~果無峠~三十丁石~八木尾~三軒茶屋跡~熊野本宮大社~泊地(蒼空げすとはうす) 5/23 泊地⇒(バス)JR紀伊田辺駅⇒天王寺駅 |
参加者 |
小川眞裕美、安岡和子、安本昭久、安本嘉代、脇本勇二、小椋美佐、保木道代、江本恭子、有永寛 ・・・ 計10名 |
5月20日 8:45 快晴です、千手院橋バス停より脇道に入り、神々の聖地・熊野本宮大社に向けて歩き始める。宿泊地の伯母子峠小屋までの所要時間は9時間です。スタートはゆっくりと歩き始める。 |
新芽、新緑のトンネル道を、まばゆい緑の山道をゆっくりと進む。 |
高野山龍神スカイライン道を2Km程歩く。日陰で小休憩。 |
林道タイノ原線に入る。リュツクは35ℓ、重さは10Kg前後です、軽量化とコンパクトにする事により身軽になり疲れを少なくし捻挫などの怪我のリスクを減らす事が出来ます。大股集落より伯母子岳まで675mの標高差、所要時間は3時間弱です。 |
14:25 大股の集落に着く。先を歩くドイツの女性2人は近くの宿泊地に向けて林道を登って行きました。 |
伯母子小屋は飲める水が無いので、萱小屋で夕食用の水を2リットル補充する。 |
重くなったリュックを背負い伯母子岳まで4.5Km。今日の宿泊地に向けてミズナラの緑の林を進む。 |
17:30 伯母子岳の分岐より頂上を目指す。今日最後の登りです。 |
17:50 1344m 秀峰伯母子岳頂上、草地の広場に赤いツツジとアセビに迎えられる。山頂からは見晴らし良好、護摩壇山から高野の山々、谷の向こうには大峰山脈が望める。 |
18:10 所要時間は9時間25分、しっかりと歩きました。今夜の宿泊地、伯母子峠小屋に到着。土間の両側に床があり10名でも充分な広さである。 |
5月21日 快晴です、西中のバス停14時2分発のバスに乗車する為に早朝に出発する。 |
5:00 尾根道を890m程三田谷の集落に向かって下る。そして三浦峠まで750mを登り返す。 |
朝日を浴びながら道が狭く左が崖になっているので慎重に下る。 |
昭和の初めごろまで旅籠があったらしい。苔むした石垣が残り古道の雰囲気が残されています、遠い昔、峠を越えて来てここで一休み。温かいお茶でも頂いたのでしょうかと想いに耽る雰囲気の有る所でした。 |
8:25 三田谷に降り立つ。トイレを清掃している地元の方に登山者の状況を聞くと年間を通して海外の人も沢山来られると、先日もサンダル履きで来てましたよ。とのお話でした。 |
9:00 三浦口バス停から神納川に架かる船渡橋を渡る。昔は三浦の渡し場があったと言われる。 |
三浦の集落あたりより急な石畳道となる。つづら折りの道は登るにつれて緩やかなにる。熊野詣の信仰の道として多くの巡礼者が行き交い、塩や米等の日常物資を馬の背に乗せていたと言われる。 |
11:20 三浦峠 予定の時間を過ぎているので、西中バス停に向けて860mを早足でかけ下る。 |
矢倉観音堂のお地蔵さんの頭を撫でると耳の病が治るといわれている。 |
13:40 西中のバス停に到着。14時2分発に乗車。30分程バスに揺られると十津川温泉に着きました。 |
温泉で2日間の汗を流す。夕食は地元の食材を使っての心のこもった料理の美味しさに感激する。所要時間は8時間40分、歩き疲れました。 |
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5月22日 7:35 本日も快晴です、3日目となると全員の調子も上がって来ました。荷物も少し軽くなりました。 |
果無峠まで940mの登りです。 柳本橋を渡り果無の集落に向かう。昔の面影を感じる急な石畳道を登る。有永さんのリュックがコンパクトにまとめられているので、旅館で荷物の詰め方の講習会を行ったおかげで皆さんのリュックが一回り小さく感じました。 |
8:50 果無集落で、軒先を借りて休憩。眼下の景色を眺めながらゆっくりと歩く。 |
十津川温泉の山並みを眺めながらの記念撮影。 |
10:50 観音堂に到着する。2週間程早ければシャクナゲが奇麗に咲いていたでしょう。 |
果無峠までもう少し。水場がありエネルギーを補給する。お堂の横に二十番の観音像がある。 |
途中の十九番、十八番の観音像を拝観しながら登って行くと、大峰山脈が見え、釈迦ケ岳方面が一望できる所に出る。 |
11:50 果無峠に到着する。登りはここで終わりです。八木尾のバス停まで970m尾根道を下ります。 |
眼下に熊野川を望む。熊野本宮大社は河原の向こうです。 |
長い下りが続きやっと、八木尾の集落に出る。車道を歩き三軒茶屋跡に向かう。 |
中辺路との合流点。三軒茶屋跡を通り広い参道の石畳道を本宮に向かう。 |
15:30 熊野本宮大社に到着。伊勢神宮、出雲大社のような厳かな雰囲気が無く、町の神社を大きくした感じであった。 |
16:00 本宮より少し離れた静かな山間の宿泊先に到着する。所要時間は8時間25分、楽しく歩きました。 |
江戸時代の初期にかけて極楽浄土を求め熊野信仰の参詣道として大いに賑わった道を熊野古道と言われ、高野山と熊野本宮を結ぶ参詣道が小辺路と呼ばれています。熊野詣の道として多くの巡礼者が行き交いました。十津川や高野山の日常物資である塩や米、味噌やお茶などを馬で運ぶ輸送路として、生活を支える道路として大いに賑わっていたでしょう。 伯母子峠(1246m)・三浦峠(1080m)・果無峠(1114m)3つの峠を越えなければ到達出来ない山岳ロングルートです。完走の為の準備も行いました。平素のトレーニングも重要です、例会時に10Kgの荷物を担いでトレーニングを行い、装備の軽量化とコンパクトに荷物をまとめる為に装備表に重量表示を行いリュツクの重さを10Kgまでに抑える指示をいたしました。荷物が軽くなれば身体の疲れも軽減でき、転倒、滑落などの事故のリスクを減らす事が出来ます。不安だからと食料、衣類等を多く持つ事により荷物が大きく重くなり身体が疲れてのトラブルも多くなります。今回の経験を活かして次の山岳ロングルートに挑みましょう。 歩行距離(脇本さんのデーター82.6Km)、所要時間は26時間30分、全員がよくがんばりました、充実した楽しい山行でした。 |
記:西村(晶) 写真:西村(晶)、脇本 |