オプションNo.392

八ヶ岳 例会記録

概要

『北八ヶ岳らしく、ひとつのルートのなかでも、厚く苔むした木々に囲まれた深い森、力強く続く岩稜、大小さまざまな神秘的な池など、個性的な顔を見せてくれる北八ヶ岳を味わいます。』

日時

9月21日(土)~23日(月・祝)

天候

霧、雨、最終日八ヶ岳ブルー

担当

森本(善)、西野

集合

9/21 6:00難波南都銀行前

行程

9/21 南都銀行前(車)⇒中央道⇒諏訪⇒蓼科⇒北八ヶ岳ロープウエイ山頂駅12:30~北横岳ヒユッテ~北横岳13:50~

   北八ヶ岳ロープウエイ山頂駅⇒泊地15:00  [歩行時間:約2.5時間]

9/22 泊地⇒(車)麦草峠(7:00)~白駒池~ニュウ~白駒池11:00~麦草峠⇒泊地  [歩行時間:約4時間]

9/23 泊地6:20発⇒(車)北八ヶ岳ロープウエイ山麓駅(7:00)~登山~北八ヶ岳ロープウエイ山頂駅9:00

   縞枯山10:00~展望台10:29~北八ヶ岳ロープウエイ山麓駅11:56⇒帰阪  [歩行時間:約5時間]

参加者

西村(晶)、山倉(康)、有永、上野、西村(美)、岡部、山倉(知)、大森、池田、中山・・・計12名

   
風雨とアカデミックと快晴の八ヶ岳
 台風からの湿気が日本海沿岸から南下中の前線にエネルギーを補給している悪天候予想の中、ウェザーウオッチ担当者、現地担当者、参加者の情報等を総合的に判断した結果、最終的には「山に行ってみないと判らない」との単純な結論に達し、八ヶ岳山行を実施した。
   

9月21日 12時30分北八ヶ岳ロープウエイ山頂駅を出発

オブザーバー西野氏が八ヶ岳の地質等について講義してくれました

13時30分北横岳ヒュッテにて

13時50分北横岳にて、ガスと強風で視界はありません

北横岳ヒュッテまで降りてきました

15時山頂駅前広場で本日終了です

森本さん紹介の別荘での夕食

   
9月21日(土) 北横岳
 午前6時に大阪を出発。
 曇り空の下、蓼科に向かう。途中の中央高速道路の渋滞は意外と少なく12:00頃に北八ヶ岳ロープウエイ山麓駅着。ここで栃木県から岡部氏、地元原村からSL西野氏と合流。
早速ゴンドラに乗り込み霧と強風の山頂駅に着く。参加者黙りこくっている。
12:30 雨具を付け北横岳に向かう。坪庭という溶岩台地に上がり濃霧の中、山頂に向け北八ヶ岳特有の苔の絨毯に覆われた樹林帯の中を登る。景色は全く見えず約1時間で北横岳小屋着。雨は降っておらず休憩する。途中SLの西野氏より北横岳の成り立ち、地形の特徴、年代、溶岩の流れによる特異地形の説明などのアカデミックな地形・地質解説を聞きながら登る。八ヶ岳全体がほぼ火山活動によってできたこと、八ヶ岳の南北で西天狗側と横岳西面と権現・三ツ頭南面で起きた山体崩壊の説明など、今までとは違った目で自分の登っている山を眺めることが出来ました。EPEに歴探、高山植物以外に、新たな境地が拓かれた歴史的瞬間でした。参加者はひたすら頷くばかりです。
頂上では北峰、南峰を共に登り、北峰周辺の赤い岩塊は溶岩が火口の酸素により高温酸化を起こし赤く変色した等、西野氏より学術的説明を強風と濃霧の中、自分の身体が飛ばされないようにして必死に聞きました。
専門的な説明を受けた後、同ルートを山頂駅に向かって下山を開始。
ロープウエイに乗り15:00山麓駅着。その後宿泊先の別荘に向かう。
 別荘では、各自夕食を作り、明日の計画の説明を受ける。
 ・雨が強い場合、天狗岳は登らずニュウ~中山峠~高見石にエスケープして白駒池に戻る。
 ・又は、ニュウから引き返し、再度、高見石に登ることなどを伝える。
   

9月22日 7時麦草峠駐車場での準備体操

合羽を着込んで駐車場を出発、まだ雨は降っていませんでした

白駒の池通過、しばらく木道が続きます

苔むした道は急勾配になってきました

もうすぐニュウです、風雨が強くなってきました

9時ニュウにて

10時50分白駒荘まで降りてきました

白駒の池周遊路はコケが美しい

今日の夕食には西野ご夫妻も来てくれました

9月22日(日) ニュウ
 本来ならば、今日のニュウ~天狗岳がメイン山行であるが、天候不安定等で出発を遅らし6:00別荘発。(台風は中国大陸に逸れると思っていたが、ビックリ突然東に進路を変え能登半島に向かいだした)7時に白駒池駐車場着。西野SLが出発前の体操を行い、青苔荘周りで霧に包まれた白駒池畔の木道を半周程歩くと白駒池を離れ、白駒湿原を通りニュウに向かう。傾斜が増しだしたころから雨が降り出し、途中本降りとなる。北八ヶ岳らしい瑞々しい苔のじゅうたんの樹林帯を登ること約30分位で大岩が積み重なったニュウの頂きに着く(9:00)。頂からは佐久側と白駒池が濃霧と雨の合間から見ることができた。今回も強風に耐えながら記念撮影
雨は相変わらず降り続け、止む気配なし。このまま白駒池にもどり、小雨になるのを期待しながら次の高見石に向かおうとするが、参加者から「わし、膝を痛めてリハビリ中、」「体力が・・・」「歩くのが早い」などの声や、さらに「雨はますます強くなるんではないのか」等・・・・のヒソヒソボソボソ声が聞こえる中高見石に向かうが、雨がより一層強くなる。白駒荘横の高見石登山口にて「今日の山行はここまでです。」と、伝える。全員、安堵の表情が読み取れた。高見石小屋の揚げパンは諦めました。
白駒荘前を通過し、11:00駐車場着
 その後、明治温泉に向かい(昔は湯治場だったとの事)ゆっくりと湯船につかり途中、画家である東山魁夷の「緑響く」のモデルで有名な御射鹿池を見学し別荘に向かう。
別荘では、ジンギスカン、水炊き、ビール等そして、飛び入りの西野夫人も加え再度、西野講師より八ヶ岳の成り立ちや地形について、なぜ小海線沿いに「海」のつく地名が多いか、なぜ北杜市の富士川沿いに長大な河岸段丘ができたのかなど、御教授を受ける。やんややんやの大喝采でした。
 講義後明日の縞枯山の打合せをする。
   

9月23日 今日はロープウエイ山麓駅からスタートです、快晴です

30分ほど登るとロープウエイの向こうに槍穂高連峰が見えました

すがすがしい草原を行く

ゲレンデの遥か彼方に御岳、中央アルプスを望む

9時頂上駅前で小休止

八丁平付近の木道を行く、縞枯山荘が見えてきました

縞枯山へ急登が始まります

10時縞枯山にて

縞枯山展望台にて、快晴です

昨日行けなかった天狗岳を望む

縞枯山荘まで下ってきました

12時北八ヶ岳ロープウエイ山麓駅で今回の山行終了としました

9月23日(月) 縞枯山

 7:00山麓駅着 快晴

 駐車場で登山準備を済ませた後、西野SLが出発前の体操を行い、その後有永氏から太極拳による身体活動を教えてもらう。しかし、このままでは太極拳が延々と続き出発できなくなる恐れが出てきた為、途中で打ち切り登山を開始する。

元の計画では、ロープウエイの山頂駅からの登山開始であったが、今日は、計画を変更し山麓駅からロープウエイを使わず徒歩で山頂を目指した

昨日までの風雨とは違い、さわやかな風と八ヶ岳ブルーともいわれる抜けるような青空であった。

爽風と時おり聞こえる小鳥の声に癒されながらひんやりとした空気の中、蓼科高原を背中にゆっくりと登る。秋深くなると黄色く色づくであろうカラマツ林や、針葉樹林を眺めながら高度を上げていくと、遠く北西側に、槍、大キレット、穂高の稜線そして御嶽山、さらに後方には南アルプス甲斐駒ヶ岳、鋸岳、仙丈岳もくっきりと眺められた。

約80分で山頂駅着(9:00)

縞枯山と雨池山に挟まれた草原のような八丁平を行くと、青い三角屋根のロマチックで可愛い縞枯山荘が現れ、八ヶ岳ブルーの下、屋根上で布団干しをしている山荘主を横目で見ながら通り過ぎ、雨池峠までゆったりと歩く。

峠から右に折れ縞枯山へ向かう。ここからは苔の絨毯に覆われた樹林帯の中を頂上まで真っすぐ直登しいている登山道をひたすら登ること約40分で頂上着。頂上は全く景色もなく期待外れである。のんびりと休憩した後、稜線上を展望台に向かう。稜線散歩はあたかも頂上から抜け出たような道であり、右手前方に望まれる八ヶ岳の景色に見とれながら15分位で展望台着。

大岩の積み重なった展望台からは真下に麦草峠を挟んで昨日登ったニュウの眺め、併せて天狗岳~赤岳~阿弥陀岳までの八ヶ岳稜線が一望の大観は素晴らしい絶景でした。昨日までの悪天候を忘れさせてくれました。展望台からの絶景をゆっくりと堪能し、往路を引き返す。人が多くなった縞枯山荘を通り過ぎ山頂駅着。

山頂駅からはゴンドラに乗り、車窓からの眺めを堪能して山麓駅着。(12:00)ここで今回の八ヶ岳山行の解散を行い、快晴のなか大阪へ帰りました。

 参加者の方々お疲れ様でした。

   

               記録:森本(善)    写真:山倉(康)